【東京モーターショー11】スズキ レジーナ…実はあのクルマがモチーフ

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スズキ REGINA(東京モーターショー11)
スズキ REGINA(東京モーターショー11) 全 6 枚 拡大写真

スズキが第42回東京モーターショー(11日まで、東京ビッグサイト)に出展した『レジーナ』。どことなく懐かしさを感じるデザインには、あるクルマがモチーフになっている。

それは『フロンテ800』。1965年に登場し1969年まで作られたこのモデルは、スズキ初の小型乗用車である。そして、国産初の曲面ガラスを採用するなど、空力にも気を配ったデザインがなされていた。

四輪デザイン部先行デザイン課の結城康和さんは、「フロンテ800をもろにレトロにするという方向ではなく、かなりアレンジをしています」と話す。

「フロンテ800は当時としてもおしゃれなクルマでした。例えば、リアフェンダーが若干タイヤにかぶっていたり、顔の印象だったり、テールランプが4つあったり。そういった記号性を大声では言っていないけれども、まぶしているのです」という。

「これに限らず、懐かしいクルマのエッセンスは微妙にふりかけています。そのうえで未来的な部分を、どう見せていくかを意識しました」。

レジーナを見て、「古いクルマを知っている人にとっては、“おっ”と見てもらえる入口になっていると思いますし、全然知らない人は“新しいちょっと面白いエコカーか”と見てもらえれば」という。

結城さんは、「クルマのデザインは、法規要件や、技術的な進歩と連動して変わってきて、それがトレンドとなっていると思います」と話す。それは、空力の影響でフロントガラスが寝たり、強度でピラーが太くなったりということだ。しかし、直近では、エンジニアリングの進歩でピラーが細くなり、また、歩行者保護要件によりスラントノーズから少し起きる傾向にある。

「こういった要件を眺めていると、60年代に通じるプロポーションが見え隠れするのです。最新の技術トレンドや法規要件と、60年代のエッセンスがリンクできるのではないかと、少し意識しながら、でもあまりわざとらしくやらない程度でデザインしました」(結城さん)。

「レトロカーやパイクカーは全く狙っていません。ちょっと味のあるエコカーになってくれれば」

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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