スバルの『インプレッサS206』は、歴代「S」シリーズの中でも、乗り心地や内装の質感、エクステリアにもこだわり、「持つ悦び」を提供するというコンセプトがある。
しかもこれらチューニングパーツや内外装の装備に、どれひとつとして見かけ倒しのものはない、と開発者らはいう。
例えば、エンジンについて、クランクシャフト、ピストン、コンロッドなどはラインオフのものの選別品や専用工場から調達したものとなる。選別基準は通常の半分ほどなるほど強化され、「クランクシャフトの回転ばらつきは通常の1/6まで精度を上げています」(パワーユニット技術部パワーユニット設計課神成匡泰課長)という。
また「ステアリングホイールの革は手になじむ質感にこだわっています。エアロパーツもレースカーのノウハウをフィードバックしており、風洞実験等でも効果を実証したものしか採用していません」(車体技術部毛利豊彦部長)といい、実際、カーボン製のリアウィング(NBRに装備)は、樹脂製のウィングより4kgも軽く、2段階の角度調整機能はダウンフォースを25%変化させることができる。
フロントフェンダー上部の黒いダクトはエンジンルーム内の空気の流れを作り内部の温度を2度下げることができる。エンジンの耐久性向上に貢献するパーツだ。