【東京モーターショー11】ミツバが現実的なインホイールモーターを開発

自動車 ニューモデル モーターショー
ミツバ(東京モーターショー11)
ミツバ(東京モーターショー11) 全 6 枚 拡大写真

東京モーターショー11の会場内(東京ビッグサイト、11月30日〜12月11日)では、様々なEVを見ることができる。三菱『ミニキャブMiEV』や日産『リーフ』などの市販EVはもちろん、日産『PIVO 3』や日産「リーフRC」といった幅広いEVの魅力を感じさせる各メーカーのコンセプトモデルが揃うのがモーターショーなのだ。

そんな中、いささか控え目ながら興味深いEVのシステムを発見してしまった。ミツバが出品していたインホイールモーターである。

インホイールモーターとは、ホイールのハブに直接モーターを組み合わせたもので、ドライブシャフトやデフギアが不要になるため軽量化につながると同時に駆動損失も抑えられるので、非常に効率が高いと言われているモーターレイアウト。

考え方自体はかなり古く、ポルシェ博士が1900年頃に設計した「ミクステ」というEVは、4輪にモーターを備えた4WDのEVだったと言われている。

しかし、実際に市販車に搭載しようとするとブレーキのスペースやバネ下重量の増加という問題があって、なかなか実現が難しい。これまで国内の自動車メーカーも開発していたものの、実用化を断念したほどだ。今回のモーターショーでは日産のPIVO 3やNTNのコンセプトモデルのように4輪が大きく転舵するコミュータはインホイールモーターを使っているが、やはり駆動輪にディスクブレーキを搭載することは難しい。

ところがミツバの小型EV用モーターは、ハブとモーターの間にリダクション(減速)ギアを設け、モーターを小型化すると同時にオフセットさせることでブレーキのスペースも確保しているのだ。群馬大学の次世代EV研究会と協力して小型コミュータやマイクロバスを、このモーターを使って作り上げたという。バスはモーターを8個使った8輪駆動、8輪操舵だ。

このハブ付きモーターなら軽自動車のリヤタイヤに組み込めば、簡単にハイブリッドカーにもなりそうだし、4輪に組み込んでレンジエクステンダーを作ることもできそう。

他にも永久磁石を必要としないインダクションモーターの効率化など、独自の姿勢でモーターの可能性を追求している。ミツバと言えばホーンや電磁ポンプをイメージするのは、もう古い。すでに自動車メーカーにもモーターやアクチュエータを納入している、モーターのスペシャリストなのだ。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  2. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  3. トヨタが新型BEVの『bZ3C』と『bZ3X』を世界初公開…北京モーターショー2024
  4. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  5. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  6. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
  7. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  8. ホンダ『ヴェゼル』マイナーチェンジで3グレードに集約、納期改善へ…「HuNT」「PLaY」新設定で個性強調
  9. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  10. ホンダが新型EVの『e:NP2』を中国で発売…北京モーターショー2024にも展示
ランキングをもっと見る