気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年12月20日付
●金正日総書記死去、正恩氏に権力移行、北朝鮮(読売・1面)
●消費税8%「13年10月」10%は15年4月、政府税調(読売・2面)
●自動車「サーブ」破産(読売・10面)
●ウォン安進行懸念、金総書記死去、日本企業が注視(朝日・10面)
●関電、節電要請スタート、自家発電フル稼働、産業界、生産維持(産経・11面)
●オリンパス増資へ、優先株軸、1000億円規模、ソニー、富士フイルム関心(日経・1面)
●独高級車、新興国に活路、欧州市場に失速懸念、BMWブラジルに工場、VWアウディ中国増産(日経・9面)
●プリウス、中国生産開始、トヨタ、来年から現地販売(日経・13面)
●ホンダが生産正常化、タイ洪水の影響和らぐ、英国の四輪車工場(日経・13面)
●エクセディ、メキシコに新工場、日系完成車に対応(日経・15面)
●トヨタ株、8日続落、終値2487円、円高対応の遅れ警戒(日経・17面)
ひとくちコメント
激震の2011年を締めくくる大きなニュースが飛び込んできた。平壌放送や朝鮮中央テレビが北朝鮮の最高指導者、金正日労働党総書記の死去を伝えたのは19日正午のこと。直ちに、読売など各紙は「号外」を配布したほか、その日の夕刊は全紙が「金正日総書記死去」を大きく報じた。
きょうの紙面も「オリンパス増資へ」を報じた日経を除く各紙が1面トップをはじめ、国際面、経済面、社会面、社説などで「金総書記死去」関連の記事を大特集している。記事は後継者とみられる三男、金正恩中央軍事委員会副委員長の経歴や手腕などを中心に取り上げているが、限られた情報のため「20代、正確な生年は不明、支持、庶民には浸透せず」(朝日)などと、その素顔は謎に包まれている。
また、日本の産業界も事態の行方を注視する動きがみられるが「貿易が禁じられていることもあり、経済への直接的な影響は小さそうだ」(朝日)との見方が主流だ。ただ、気掛かりなのは、隣国の韓国で株価や通貨が急落。日経によると、「自動車業界ではコスト競争力に優れた韓国の部品輸入を拡大しているメーカーも多い。ある自動車大手幹部は『朝鮮半島を巡る政治リスクが高まれば、部品調達などに影響が出かねない』と指摘。今後の行方を見守る」と伝えている。
東京は市場の動きに注視。「北朝鮮が対外的な強硬姿勢を強め、ウォン安が進んで韓国の輸出競争力が増すと、海外で韓国メーカーと競合する日系の自動車や家電メーカーの業績に響きかねない」と、輸出関連株への影響を懸念するアナリストのコメントを紹介している。
ちなみに、月初に応募を開始した読売の「あなたが選ぶ今年の10大ニュース」は19日(必着)が締め切りだった。郵便はがきは無理でもFAXやオンライン投票はギリギリ間にあったようだが、今年も残すところあと10日。不安が募るような暗いニュースの「号外」はもう打ち止めにして欲しいものである。