気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年1月20日付
●GM、4年ぶり世界一、11年販売(読売・8面)
●トヨタ急加速「シロ」判定、全米価額アカデミーが報告書(読売・8面)
●12年の国内販売トヨタ上積みへ(読売・8面)
●米コダック破綻、デジタル化遅れ(朝日・1面)
●日本の交渉参加支持、TPPベトナムとブルネイ(毎日・7面)
●ホンダ労組ベア要求見送り(毎日・7面)
●自動車配線談合で課徴金、矢崎総業に96億円、過去最高額(東京・27面)
●自転車危険運転で免停、大阪で死亡事故誘発全国で2例目(東京・27面)
●社説:日本車の巻き返しには自己変革が必要(日経・2面)
●環境配慮企業トヨタが首位、本社調査、15年首位(日経・10面)
ひとくちコメント
米ゼネラル・モーターズ(GM)の発表によると、2011年の世界販売が前年比8%増の903万台となり、4年ぶりに世界首位に返り咲いたという。2位はトヨタ自動車を抜いて、816万台と過去最高となった独フォルクスワーゲン(VW)が浮上した。
GMは、経営危機に直面した2008年には、過去77年間死守してきた世界一の座をトヨタに明け渡した。その後3年間はトヨタが首位をキープしてきたが、昨年は東日本大震災やタイ洪水の影響で供給不足となり、世界販売が減速。11年は790万台(ダイハツ工業、日野自動車含む)にとどまる見込み。一方で、GMは、主戦場の米国や中国で大きく販売を伸ばし、4年ぶりに900万台を超えた。
きょうの各紙をみると、「GM、4年ぶり世界一」(読売)の記事が経済面などで報じられているが、GMよりも大きく取り上げているのが「米コダックの経営破綻」である。イーストマン・コダックといえば、1880年創業で130年以上の歴史を持つ名門企業。写真フィルムの製造販売では、世界で圧倒的なシェアを誇っていたが、デジタルカメラの急速な普及など市場の変化に対応できず、経営危機に陥っていたようだ。
日経は「激変期米名門の明暗」とのタイトルで、GMとコダックをセットで取り上げているのが感慨深い。かつて「会社の寿命は30年」とも言われたことがあったが、成長がいつまでも続くことはなく、いずれは衰えるというのだろう。まるで企業の「栄枯盛衰」のドラマを見ているような象徴的な例である。