【レクサス GS 開発ストーリー】リアのボディ剛性が“キモ”

自動車 ニューモデル 新型車
車両実験統括部プロジェクト開発推進室主任の伊藤俊則さん
車両実験統括部プロジェクト開発推進室主任の伊藤俊則さん 全 7 枚 拡大写真

新型レクサス『GS』は、欧州、特にドイツメーカーの競合モデルと互角に渡り合う走りとなった。

「BMW『5シリーズ』やメルセデス『Eクラス』に乗っている人にぜひ乗ってもらいたい。また、レクサス『LS』に乗っていて、自分でも運転してみたいという方にも乗ってもらいたいです」と話すのは、GSの動的評価を担当した車両実験統括部プロジェクト開発推進室主任の伊藤俊則さん。

競合車と互角の走りを開発していくうえで、重要視したのは何か。「それはボディ剛性です。特にリアのボディ剛性。そこをしっかりさせないと何も始まらないと思いました」といい、「特に今回はBMW5シリーズを意識しました」とする。

「これが出来なければ、このプロジェクトはないというくらいの気持ちです。どれだけサスペンションを見直しても、リアがしっかりしていないと全く駄目。レクサス全体の弱点でもあります。新世代からここはしっかりやらなければという課題が明確だったのです」とその意気込みを語る。

具体的にリアの剛性を高める方法は、リアのスポット溶接の間隔を短くし、数を増やすことだ。伊藤さんはやればよくなることは分かっていたが、社内事情で難しかったと振り返る。しかし、このGSから走りは変えるんだという強いメッセージを社内に発信し可能となったのだ。

その結果、「クルマの安心感が全く変わりました。それはまっすぐ走るときもそうだし、ブレーキを踏んだときもリアがぶれたりすることがなくなったのです。安心してブレーキを踏むことが出来るということはその分速く走ることが出来るのです」。

最後に伊藤さんは、「やっていることはそれほど新しいことではなくベーシックなことですが、それをやるかやらないかで最終的なクルマの出来が全く違います。コストやスポットを打つ機械の能力もありましたが、とにかく新しい機械を入れてでも、新しいレクサスを作るんだという意気込みの成果です」とする。

「今までは『クラウン』や『マークX』と同じボディがベースだったものを、レクサスの専用ラインでレクサス専用のボディにしようと全社的に方向が一緒になったことが一番大きいですね」と嬉しそうに語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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