トヨタから4月に発売される『86』は、スペシャリティカーではなく、スポーツカーとしてデザインされた。
インテリアデザインを担当した、デザイン本部トヨタデザイン部グループ長の遠山正起さんは、まず、「86はスポーツカーなので、従来のクルマ作りをやっていたのでは、スポーツカーユーザーに笑われちゃうぞと考え、最初は色々なクルマに乗って勉強しました」と開発当初を振り返る。
また、遠山さんは『セリカ』(T200系)のインテリアを担当したことがあるが、「(セリカは)スペシャリティカーなので、雰囲気でモノ作りをしていました。しかし、86はスポーツカーですから、走りにとても重要な、ステアリング、シート、メーター、シフトなどのパーツが、スポーツカーとしての機能をアピールする意匠を目指しました」とする。
その一例としてステアリングホイールを挙げ、「昨今のステアリングは、各種ステアリングスイッチが付いています。しかし、86はスポーツカーですから、純粋に運転を楽しんでもらうことを考えると必要ないでしょう。さらに、軽量化にもなります」とし、この視点から、必要のないものを出来るだけ排除し、スポーツカー本来の味を出していると語った。