功労者表彰に「二輪関係者を」...国交省推薦促す

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前田武志国土交通大臣
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自動車関係従事者の功労者表彰で、過去50年間にわたって、二輪関係者の大臣表彰の実績がなかったことに関して、国土交通省自動車局は、関係団体に対して「積極的な推薦を」と求めた。

1960年からはじまった表彰は、毎年6月に地方運輸局長表彰、11月に大臣表彰が行われている。製造を除く、整備、運輸、販売など自動車に関係する団体が広く表彰対象となり、大臣表彰だけでも毎年200人が対象となっているが、過去一度も二輪関係者が表彰されたことはない。地方運輸局長の表彰では、乗用車と二輪車を併売する関係者の表彰が数人あるだけだ。

これについて前田武志国交相は「実際に国民の足であり、地域の経済活動、社会活動に交通手段として二輪車も利用されているわけですから(二輪関係車が表彰されてないことについては)これからの検討課題にしていきたいと思います」と、12月の会見で延べた。

その後、ようやく同省自動車局の担当者は、推薦団体に対して申し入れを行い「積極的に推薦を拡げるように」という通知を、地方運輸局の担当者に行った。しかし、その実効性は疑わしい。

50年間、二輪関係車が推薦されてこなかった原因は、同局が、表彰の推薦団体を四輪車中心で構成しているからだ。

例えば、車両販売分野では日本自動車販売協会連合会(自販連)が推薦団体となっているが、自販連は四輪車ディーラーの会員の集まりだ。中古車販売事業者が参加する日本中古自動車販売協会連合会に四輪車と二輪車を併売する事業者が参加しているが、二輪車分野では、そもそも推薦すべき団体が設定されていない。

また、車両整備分野でも、同局は日本整備振興会連合会(日整連)があるが、ここも四輪車中心になっている。二輪関係者によると「乗用車とバイクの整備で共通しているのはエンジンだけで整備の視点が違う」と話す。事実、日整連の地方組織に参加する二輪車専業者は少ない。

そんな状況下で、同局が頼りにするのは全国軽自動車協会連合会(全軽自協)だ。全軽自協は、四輪車の登録制度にあたる届出制度を運営し、二輪車整備や価格表示の適正化のための活動を行っている。

国交省や地方運輸局は「これまでも二輪関係者を排除していたわけではない」と、口を揃える。しかし二輪関係者が1人も対象とならなかったことは、こうした団体に二輪関係者の推薦を託してきた結果だろう。

《中島みなみ》

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