2016年のリチウムイオン二次電池市場2兆4028億円…富士経済予想

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日産リーフのリチウムイオン電池モジュール
日産リーフのリチウムイオン電池モジュール 全 2 枚 拡大写真
富士経済は、リチウムイオン二次電池を中心に一次電池、二次電池の世界市場を調査し結果を報告書「2012電池関連市場実態総調査・上巻」にまとめた。

報告書では、市場環境や業界動向を総合的に調査するとともに、主要な日系電池メーカーの増産状況、伸長著しい海外電池メーカーの動向を踏まえ、特に中国市場や韓国市場に注目し、一次電池・二次電池の市場を品目ごとにワールドワイドの生産地域出荷ベースで捉え、現状と将来展望を総合的にまとめた。

二次電池市場は、一次電池からの一部シフト、モバイル機器やコードレス機器の増大などもあり、今後も拡大が予想される。単価は下落しているものの、応用製品の生産増による数量の大幅増がそれを上回っている。

2010年実績で鉛蓄電池が市場の73%を占めている。国内では頭打ちの状況であるものの、海外ではアジア新興国を中心に自動車や二輪車の増加により、市場は順調に拡大している。

ニッケル水素電池は、小型はリチウムイオン二次電池へのシフトにより縮小するが、大型はハイブリッドカー向けが順調に増加し、トータルとして2016年に2010年比40.8%増の3710億円を予測。

リチウムイオン二次電池は二次電池市場の20%を占めるが、高性能要求の強まりや、環境性、低価格化などにより、ニカド電池やニッケル水素電池(小型)からシフトが続いており、携帯電話やポータブルAV機器、ノートブックパソコンなどの生産も増加している。さらに今後は車載向けの本格化と産業用の電力貯蔵向けの立ち上がりも期待されることから、2016年に構成比は37%に上昇すると予測する。

注目市場では、リチウムイオン二次電池の市場は2010年が8966億円だったのが2016年には車載専用の拡大で2兆4028億円にまで拡大すると予想する。

車載専用は2011年から市場が本格化している。2010年末に日産自動車の電気自動車(EV)『リーフ』が発売され、三菱自動車のEVの販売台数、ラインアップが増えるなど、EVの普及と共に市場が拡大している。さらにプラグインハイブリッドカーも搭載車がラインアップされつつあり、2012年以降も市場は拡大が続くと予想される。

現在は日本での生産が中心となっているが、2014年頃から海外生産が本格化し、2015年には日本と海外の生産量は逆転すると予測。

一方、産業用・電力貯蔵用は、専用タイプやシリンダ型の組合せにより製品化されている。市場は2011年より立ち上がっており、現状では製品が高価であることなどが普及への課題となっている。産業用は太陽電池との組み合わせ、UPS(無停電電源装置)、スマートグリッド向けなどが当面の需要が見込まれる。

《レスポンス編集部》

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