【プリウスPHV+SonicPLUS】EV/PHV時代の最新カーオーディオ対談

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ソニックデザインの佐藤敬守社長(右)とレスポンス 三浦和也編集長
ソニックデザインの佐藤敬守社長(右)とレスポンス 三浦和也編集長 全 6 枚 拡大写真

トヨタ向けの車種別専用スピーカーパッケージ『SonicPLUS』をラインナップしたカーオーディオ専門メーカーのソニックデザイン(SonicDesign)。代表取締役社長・佐藤敬守氏に、レスポンス編集長・三浦和也がSonicPLUSを軸にEV/PHV時代のカーオーディオについて話を聞いた。

◆移動可能なリスニングルームを実現するEV・PHV

三浦:長期レポート車であるプリウスPHVにSonicPLUSをインストールするプロセスや、その後のインプレッションなどは既報のとおりです。佐藤さんの視点で、世代環境車が出てきたことでカーオーディオの周辺にはどんな変化が起こると思いますか?

佐藤(敬守ソニックデザイン社長 以下敬称略):オーディオの最大の敵だったエンジンの音と振動がなくなることで、クルマのなかが“真の動くリスニングルーム”になりますね。マイルーム機能など止まったクルマで音楽を聞くこともできますが、基本的にクルマなので“動きながら”が大事だと思います。PHVやEVの登場により、プライベート空間が保たれたなかで移動しながら良い音を楽しむという人たちをもっと取り込んでいけるのではないかと期待していますよ。

こうした次世代環境車の車内をリスニングルームにするという考え方は、すごくコストパフォーマンスが高い手法といえます。自宅でここまでのリスニングルーム環境をつくるとなると、なかなか難しいです。

◆SonicPLUSは「これがベストな専用設計」

三浦:SonicPLUSシリーズは、ディーラーで取り付けられるということが売りですね。これまでカーオーディオのハイエンド向けブランドユニットは、匠の技術によるインストールが必要でしたが、そこをエンクロージャー一体型ユニットがブレークスルーしている。

佐藤:簡単取付といっても、どこでも誰でも取り付けられるものにしていません。そのクルマを売っているお店、ディーラーにフォーカスしています。このプリウス向けSonicPLUSは、トヨタディーラーであれば完璧に付けられるわけです。取り付け方のノウハウをマニュアル化してパッケージングし、クルマについてプロのスタッフが装着する。

自社で扱うクルマのオプション装着や点検などは、ディーラーが日常的に行っている作業です。そこでコネクタやビスなど、完全にベース車とフィッティングがとれた商品としてパッケージすることで、確実に取り付けてもらえます。つまり取り付ける人によってクオリティのバラつきが出ない。ディーラーの特化した技術・設備とソニックデザインのパッケージングの融合というわけなのです。

三浦:単にディーラー販路を開拓したというわけではないんですね。

佐藤:販路開拓ではなく、取付け含めたソニックデザインの音が、ディーラーで確実に手に入る「新しい仕組み」をつくったということですね。専門的な音の知識がなくても、ディーラーの整備・技術があれば、ソニックデザインの音が完璧に再現できる。そこがポイントです。

三浦:その他、このSonicPLUSというパッケージで“完結する”というキーワードがありましたが。

佐藤:大人の趣味をターゲットとしているときに「入門編」などという言葉がありますが、このSonicPLUSは、そういったエントリーモデルではありません。「これで完結していて、これがベストな専用設計です」とユーザーに伝えたい商品です。そこから先は、いわゆるマニアの世界ですね。

まずは「SonicPLUS」できちっと完結する音を楽しんでももらいたい。これ以上はオーディオ機器に投資するのではなく、好きなアーチストのCDを買う資金、ドライブ旅行に行く資金に充ててもらいたいと思います。

◆通常のインターフェース、ソース選びが影響されない

三浦:最近の純正オーディオはBluetoothオーディオ接続ができます。さらにスマートフォンではいろいろな再生アプリケーションが出てきている。クルマで何時間でも音楽を聞けるうえ、ソースリッチな時代になりました。

佐藤:一方で、カーオーディオがマニアの商品になればなるほど、操作って難しくなるんですよ。ソースも限定されちゃうんですよね。私はユーザーインターフェイスやソース選びが影響されないほうに注目しています。

三浦:純正カーオーディオはよくできていて、スマートフォンなどとの連携もできて、ステアリングでも操作できる。誰が乗っても操作できるようにクルマが進化しました。カーオーディオの間口を広く設けて、SN比が高い環境で、大音量じゃない適度な音でいい音質を聴くというのがこれからのカーオーディオの真骨頂なのでしょうね。

佐藤:EV/PHVにバリバリの改造やカスタマイズは似合いません。クルマの価値を損なわず、純正フロントスピーカーと簡単に交換できる車種別専用設計のスピーカーパッケージがSonicPLUSです。馴染みのディーラーで取り付けることができる。疲れない音量で、リラックスして音楽の魅力と美しい景色、ドライブを十分に楽しんでもらいたいと考えています。

◆耳が疲れない音量で聴ける贅沢

三浦:EVやPHVといった次世代エコカーの静かな室内空間にいると、カーオーディオの音をはじめ、虫の声、風や波の音などが心地よい要素になりうると感じます。これまでのクルマでは聞こえてこなかった、“日本のいろいろな音”に耳を立ててみると、これはエネルギーセキュリティーという角度とは違う“環境”であり、それを聴くためにEV/PHVに買い換える価値はあるなと思いました。

佐藤:ノイズが少ない環境の中で音を聞けるということは、音量のボリュームを上げる必要がないということです。つまり耳が疲れないんですね。騒がしいお店などへ行くと、人と話すときに大声で話すことになり、疲れちゃうんです。ヒーリングなどで音を聴く場合は、音量レベルを極力下げるんですね。逆にこんどは下げ過ぎると、はっきり聞こえなくなって、耳に聞き取るちからが働くことでまた疲れてしまう。

三浦:なるほど。小さい音でもハッキリ聞こえると耳が疲れない。そういう状態で音楽が聞こえると、たとえ長時間のドライブでも「聴く」ことが快適で楽しい行為になりますね。S/N比とともに明瞭度、解像度は重要ですね。

佐藤:ソニックデザインが採用するエンクロージャーのメリットは、ドアトリムやガラス、鉄板などを響かせないで、忠実にスピーカーから出る音を伝える状態にするので、音量を小さくしても音の解像度・明瞭度が保たれます。結果的に、普段BGMとして聞いている音量で、疲れを感じることなくクリアに聴こえると耳が認識する。どのモデルも「ソニックデザインの音だ」と言ってもらえる点はそのあたりにあると思います。

《レスポンス編集部》

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