現在、資本提携の解消を巡って、係争中のスズキとフォルクスワーゲン。これとは別に、両社の間で2004年から続いていた問題に21日、裁判所の判断が下された。
2004年、フォルクスワーゲンは欧州共同体の商標意匠庁に、「スズキが『GTi』というグレード名を欧州で使うことを認めたのは無効」と申し立て。その理由は、フォルクスワーゲンが「GTI」というグレード名を『ゴルフ』や『ポロ』に使用しており、消費者の混乱を招く恐れがあるというものだった。
スズキがGTiのグレード名を商標申請したのは、2003年10月。欧州向けの初代『スイフト』(現地名:『イグニス』)の高性能グレードとして、GTiの名前を使おうという申請は、欧州共同体の商標意匠庁に受理され、2004年のフォルクスワーゲンの商標無効の申し立て請求は棄却された。フォルクスワーゲンはその後、これを不服として欧州第一審裁判所に提訴していたのだ。
21日、ルクセンブルクの欧州第一審裁判所は、フォルクスワーゲンの申し立てを却下。その理由として、「GTIという名称は、過去にローバー、日産自動車、三菱自動車、プジョー、トヨタ自動車などが使用しており、一般的な名称と認められる。従って、フォルクスワーゲンのGTIとスズキのGTiを、消費者が混同する可能性は低い」と結論づけた。
ちなみにスズキは、現行スイフトの高性能モデルには、欧州でも日本と同じ『スイフトスポーツ』の名前を使用している。