デンソーは5日、小型ハイブリッド(HV)トラック用の冷凍機システムを開発したことを発表した。
同システムは、ベルトを介してエンジンの動力で駆動する従来のコンプレッサーに加え、HV車用バッテリーに蓄えられた電気で駆動する電動コンプレッサーを新たに搭載。2つのコンプレッサーは、車両の走行時と停止時で駆動が自動で切り替わり、走行時は従来のコンプレッサー、車両停止時には電動コンプレッサーとして駆動する。冷凍・冷蔵室内の温度を維持しつつ、車両をアイドルストップさせることで、従来システムに比べ、車両の燃費を大幅に向上させることができる。
また、従来オプション品としていた、冷凍機を駆動させるための外部電源ユニットを、今回は標準装備。新開発のシステムでは、外部電源使用時は冷凍機システムに搭載されている電動コンプレッサーを使用するため、モーターやコンプレッサーが不要となり、ユニットの大幅な小型・軽量化を実現した。
冷凍機システムは、2012年8月にデンソーセールスを通じて発売し、年間の販売目標は150台を見込んでいる。発売時点での搭載可能車種は、トヨタ『ダイナ』『トヨエース』および日野『デュトロ』となるが、搭載可能車種を順次増やしていくとともに、将来的にはEVトラックへの対応も目指していく。