【スバル レガシィツーリングワゴン 2.0GT DIT 試乗】動力性能は文句なし、環境性能は物足りない…松下宏

試乗記 国産車
レガシィツーリングワゴン
レガシィツーリングワゴン 全 18 枚 拡大写真

『レガシィ』が力の入ったマイナーチェンジを実施し、走りの中身の大きく進化させてきた。小手先の変更にとどまらない熟成を進める形のマイナーチェンジはスバルらしいところである。

【画像全18枚】

外観デザインはフロント回りの表情が引き締まったものになった。従来がちょっとほほえんだ印象だったのに比べると、力強さを感じさせるものになった。

注目は新世代の水平対向2.0Lエンジンを直噴ターボ仕様にして搭載した「2.0GT DIT」で、レガシィの印象を大きく変える新エンジンだ。

これまでのレガシィがターボ仕様も含めて2.5Lエンジンを搭載していたことからすれば、新搭載の2.0リッターエンジンはダウンサイジング直噴ターボということになるが、ヨーロッパ車のようにエコを追求したものではなく、むしろ動力性能重視のエンジンだ。

だから、今どきの常識からすれば、時代に逆行しているような部分もあるのだが、このエンジンの動力性能自体は無条件でほめざるを得ないくらいにすごい。豪快かつパワフルな実力を発揮するエンジンだ。

ただ、CVTと組み合わされているために、走りの実感に乏しいという印象を受ける。高速道路をSIドライブをIモードにして走っていて追い越し加速を得ようとするときなどが典型的で、アクセルを踏み込んでもステップATのようなキックダウンがないために加速感が薄い。

それでいて気付いたときには超高速域に達しているのだから、動力性能自体は相当にすごいのだが、それを感じさせないのだ。

スバルの開発陣もそんなことは百も承知とばかりに、SIドライブをS#にして走れば、ギア段を刻んで加速していく仕組みが採用されている。これなら確かに走りの実感が味わえるようになる。でも、それはそれでCVTの良さをスポイルする面があり、ちょっと微妙な印象が残った。

また前述したように、2.0GT DITはダウンサイジング直噴ターボでありながら、排気ガス基準も燃費基準も達成できていない。今どきのクルマ選びはエコカー減税の対象であることが基本条件ともいえるのに、それを満たしていないのはやはり物足りない。

アイドリングストップ機構やエネルギー回生機構を採用するなど、燃費向上のためにやれることは、まだいろいろあると思う。

ほかのグレードには進化したアイサイトが搭載されるのに、2.0GT DITにはオプション設定すらされないのも物足りない点だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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