【トヨタ プリウスPHV】PHVをHVと見るか、EVと見るか…斎藤聡

エコカー EV
トヨタ・プリウスPHV
トヨタ・プリウスPHV 全 6 枚 拡大写真

『プリウスPHV』に乗って、PHVの立ち位置について考えてみた。

【画像全6枚】

PHVの立ち位置は、ハイブリッド(HV)と電気自動車(EV)を結んだ線の間のどこかにあるのは判るだろう。ボクの受けた印象としては、HVから進化しようと試み、ずいぶんEV寄りに歩みを進めたという印象を受けた。その意味でよりEV的なキャラクターを持ったHVと言えると思う。

クルマを「起動(電源オン)する」と、まずEVモードになる。エンジンがかからないので、始動とかエンジンをかけると…という表現はあまり適切でないような気がする。

しばらく走ってエンジンがいつまでもかからないので、それに気が付いたというポカをやらかしたのだが、そのくらいバッテリー容量は大きいし、一般道なら交通の流れに乗っている限りまずエンジンはかからない。

クルマを受け取り、EVモードのままバッテリー残量とエネルギー回生にちょっと気遣いながら自宅を目指すと、53.2km/リットルという燃費が出た。自宅まで約30km、そのうち20kmを少し超えたあたりでバッテリーが底をつき、あとの10kmをHVモードで走っていた。だから燃費データ(電費+燃費)が良いのは当たり前ではあるのだが、それにしてもあっさりこの数字が出てしまうところに驚きというか面白さを感じてしまう。

これまでいろんな燃費のいいクルマ(含HV)に乗ってきたがこんなに痛快な燃費データは出したことがない。しかも、ロングドライブに行かない限りは日常的にこうした燃費が記録できるわけで、環境にもお財布にも優しいクルマでもあるわけだ。

ちなみに充電の料金も、空になったバッテリー容量3kWhを充電するとして、一般的な従量電灯プランで69円というから、ガソリン換算で0.5リットル分にも満たない。

使い勝手の面でも室内は広々としているし、ラゲッジスペースもたっぷり。いったいバッテリーをどこにしまったの? と言いたくなるくらいだ。実際にはラゲッジスペースの下にリチウムイオンバッテリーが搭載されているわけで、そのぶんラゲッジの深さが少なくはなっているはずなのだが、そんな印象を受けない所もいい。

ただ、ブレーキフィールはやっぱり好きになれない。ブレーキの踏み応えが悪いのだ。通常のブレーキ操作程度ならほとんど違和感はないが、速く踏む、あるいは強く踏んだ時のタッチが悪いのが気になる。

試乗した印象では、HVをよりEVの方向に進化させようとしたのがPHVと言えると思う。ガレージ付きの家があり、充電システムを設置可能であるならこのクルマを購入する意味は大きいと思う。

《斎藤聡》

斎藤聡

特に自動車の運転に関する技術、操縦性に関する分析を得意とする。平たくいうと、クルマを運転することの面白さ、楽しさを多くの人に伝え、共有したいと考えている。そうした視点に立った試乗インプレッション等を雑誌及びWEB媒体に寄稿。クルマと路面との接点であるタイヤにも興味をもっており、タイヤに関する試乗レポートも得意。また、安全運転の啓蒙や普及の重要性を痛感し、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターも行っている。

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