【スズキ ワゴンR 新型発表】3つの普遍性は初代からのスピリット

自動車 ニューモデル 新型車
スズキ・ワゴンR
スズキ・ワゴンR 全 12 枚 拡大写真

スズキ『ワゴンR』がフルモデルチェンジし5代目となった。そのデザインコンセプトのひとつは普遍性と新規性の両立というものだった。

「基本的にワゴンRはころころ(デザインが)変わるのではなく、初代のイメージをしっかり継承して熟成されてきたクルマだと思います」とは同社四輪技術本部第一カーラインチーフデザイナーの村上俊一さん。従って、「当然5代目も、これまで培ってきたものを土台と考え、その普遍的な部分をきちんと抑えたうえで、新規性を出す。普遍性と新規性の両立も当初からコンセプトに掲げてデザインを進めました」と話す。

その普遍的なデザインとは何か。村上さんは、様々な検証の結果、ここだけは守ろうという3つのポイントがあったという。「ユーザーにワゴンRの外観イメージを聞くと、四角くて直線的という言葉が出てきました。まずそれをしっかり再現することが一番大事」だとした。そこで、「ボンネットのオデコ(ボンネットからフロントグリルへつながる面)の部分。フロントウインドウの上のルーフのオデコの部分。そしてルーフ後端の角の部分。サイドビューから見た時のこの3点の角がしっかり出ていることで、遠目から見た時に四角い外観デザインだと認識してもらえると考えました。多くのデザインスケッチを展開しましたが、そこは継承しました」とする。

次に、「初代からのアイデンティティでもある、屋根の動きです」。具体的には、「サイドビューから見た時に、後ろに行くほど高くなっていくルーフのウェッジ感で、バックドアを開けた時の開口の高さも関係します。つまり、ワゴンRの人と荷物の室内空間というスピリットを一番色濃く表現しているところだと思いますので、このルーフのウェッジは絶対に残さなければと思いました」

最後は、「ボディとキャビンの一体感です。ボディはボディ、それにキャビンが乗っかっているようなデザイン構成ではなく、ワゴンRに限っては、ボディとキャビンがひとつの塊になっている。そうすると骨格が凄く強く感じられると思います」とし、「この3つだけはしっかり残し、ワゴンRとしての普遍的な部分としてキープしてデザインしました」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  2. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
  5. 日産『エクストレイル』米国版が2026年型に、新グレード「ダークアーマー」設定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る