フェラーリを手掛けたデザイナーが家具をデザイン

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大塚家具代表取締役社長の大塚久美子氏(左)とKEN OKUYAMA DESIGN代表の奥山清行氏(右)
大塚家具代表取締役社長の大塚久美子氏(左)とKEN OKUYAMA DESIGN代表の奥山清行氏(右) 全 6 枚 拡大写真

総合インテリア販売の大塚家具とKEN OKUYAMA DESIGNはインテリア分野で事業提携することを発表した。

KEN OKUYAMA DESIGN代表の奥山清行氏はイタリア人以外で初めて、フェラーリのデザインを手がけた世界的な工業デザイナーだ。これまでIDC大塚家具は奥山氏がデザインを手がける商品を販売してきたが、今後両社はインテリア分野でのパートナーとして、商品開発、プロモーション、コントラクト事業において協力していく予定であるという。

都内で行われた会見の席上、大塚家具代表取締役社長の大塚久美子氏は、まず自社のイメージについて、「最高級なモノから、比較的買いやすいモノ、世界中のモノから、日本の伝統工芸品もと、幅広く商品を扱うことから、少しつかみどころがないと思われているかもしれません」と話す。

しかし、実は共通のポイントがあるという。「それは、モノ作りの考え方です」とし、「大塚家具はもともと伝統工芸品の総桐箪笥の製造から始まった会社です。祖父は桐ダンス作りの名人と言われていた人で、本当のモノ作りについては、きちんとした価値観を持っている会社だと自認しています」

では、本当のモノ作りとは何か。大塚社長は、「本当の一流の料理人は、ブランドなどの高級素材を使わなくても美味しい料理が出来ると思います。つまり、料理をすることの本質がどこなのかをわきまえた人と考えます。家具を作る場合も同じで、そのモノ作りの考え方がきちんとしているかどうかが非常に重要なのです」と述べた。

「そういう観点で我々は日本を含め世界中にパートナーを持ってモノ作りをしています。しかし、ひとつだけ欠けているものがあります。それがデザインなのです」という。「良いモノを作る技術があり、人がいて、伝承されているノウハウはあるのですが、それを現代の生活の中にどう翻訳して生かしていくのかというデザインが足りなかったのです。その解決を与えてくれるのがKEN OKUYAMA DESIGNなのかなと思っています」

この事業提携のもうひとつのかなめは“発信”である。「モノは作るだけではなく、使ってもらわなければ意味がありません。良いデザイン、良いモノというのは身近に活用して初めて生活が豊かになります。やはり使ってもらうということは、良いモノの価値を発信していくということで、その発信力というところでも、KEN OKUYAMA DESIGNと良いパートナーになるのではないかと思っています」。そして、「衣、食は世界で一流と言われている日本ですが、住のところだけは遅れています。モノ作り、そして発信を通じて、最高レベルに上げていくには、KEN OKUYAMA DESIGNとの提携というのが非常に効果的ではないかと、事業提携に至った次第です」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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