【ホンダミーティング12】2013年登場予定のアコード「フルHEV」はカムリハイブリッドを超える!?

エコカー ハイブリッド
ホンダミーティング12でよういされたアコードベースの2モーター式の試作ストロングハイブリッドカー
ホンダミーティング12でよういされたアコードベースの2モーター式の試作ストロングハイブリッドカー 全 4 枚 拡大写真

ホンダがマスメディア、ジャーナリストなどを対象に近未来の実用技術を公開した「ホンダミーティング」。今回の公開技術のなかでも注目度が高かったものとして挙げられるのが、北米向けの新型『アコード』をベースとした2モーター式の試作ストロングハイブリッドカーだ。

【画像全4枚】

自動車工学用語ふうに「フルHEV(フルヘヴ)」方式とホンダが呼んでいるこの試作車は、今年北米に投入したプラグインハイブリッドカーと基本的に同じ構造。トヨタ『プリウス』、『カムリハイブリッド』などでも使われている、一部領域では熱効率がディーゼルなみに高い2リットル直4アトキンソンサイクルエンジン、発電機、駆動用モーターからなる、いわゆる2モーターハイブリッドだ。バッテリーはホンダとGSユアサの合弁会社であるブルーエナジー社製のリチウムイオン電池。

機構的な特徴は、エンジンを発電に用いるシリーズハイブリッドが基本となっていることだろう。モーターの定格出力は120kW(163馬力)と強力で、2リットルエンジン(100kW)が発電機を回して得られた電力とバッテリーの電力の両方で駆動する。シリーズハイブリッドとの違いはエンジンパワーでも走行可能なこと。巡航時にはエンジンと駆動系の間に設けられたクラッチがつながり、適宜モーターアシストを受けながら直結状態でクルマを走らせることもできるのだ。

トヨタのハイブリッドシステム「THSII」との最大の違いは、変速機構を持たないこと。ホンダは変速機構について「電気式CVT」という名称を使っているが、これは半ばシャレ。発電量、バッテリー電力量などを統合して出力制御を行うことをそう表現しているのだ。

THSIIの場合、動力分割機構によってエンジンのパワーを駆動と発電に自由に振り分けることができる。ホンダのフルHEVでは、エンジンパワーは普段はすべて発電に使われ、動力に使われるのはクラッチがつながっているときだけだ。

アトキンソンサイクルエンジンの特徴のひとつとして、効率はディーゼルに遜色ないくらい高いが、効率のいい範囲が狭いということがある。その効率の高いところを上手く使うという点では、明らかにTHSIIのほうが柔軟性が高い。

ホンダが動力分割機構や物理変速機によって効率をアップさせるというアプローチを取らなかったのは、トヨタの特許の壁があったからかと思いきや、もっと積極的な理由があるのだという。

「たしかにエンジンの効率が良いところをなるべく外さないということを最優先するなら、動力分割機構は良い方式です。ただ、遊星ギアは動力伝達や制御に伴うエネルギーロスが意外に大きいという弱点もあるんです。シリーズ方式と直結ドライブの併用では、そのロスはほとんど出ません。トータルでみればエネルギー効率で上回ることができる見通しとなったことから、この方式にしました」

本田技術研究所のエンジニアはこう説明する。実は今秋、三菱自動車が発売したSUVのプラグインハイブリッドカー『アウトランダーPHEV』も、ホンダのフルHEVと同じ原理のシステムを搭載している。開発を手がけたエンジニアの見解もホンダとほぼ同じであった。

これまでストロングハイブリッドの分野では圧倒的なトップランナーであったトヨタTHSII。ホンダのフルHEVがどのような性能を示すのか、またユーザーに認知されてTHSIIの対抗馬として育っていくことができるのか、今後に注視したい。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 三井金属の固体電解質「A-SOLiD」、全固体電池に採用決定…2027‐2028年の実用化めざす
  2. パナソニック ホールディングス・人事情報 2026年4月1日付・6月22日付
  3. ダイハツ『ロッキー』が3列7人乗りSUVに!?「ロッキースペース」登場の可能性は
  4. トヨタ『カローラクロス』次期型は「RAV4」似に? 最終デザインはこれだ!
  5. サブスク型洗車場「スプラッシュンゴー」、藤岡大塚店を群馬にオープン…洗い放題で月額980円から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ホンダ「2026ビジネスアップデート」…次世代HV15車種投入、2029年度営業利益1兆4000億円
  2. 「電気バス」でつながる聖地・高野山、導入の裏にあった合理的な理由
  3. 【調査レポート】自動車パワートレインの現実解(米・欧・中・日・印)~BEV踊り場におけるPHEV・合成燃料の再評価~
  4. ダイフク、520億円の成長投資でマザー工場再開発とドイツ企業買収…2030年に売上高1兆円へ
  5. メンテナンスパック「SUBARU Care Passport」、13項目選べる付帯サービス…7万8144円から
ランキングをもっと見る