新疆南路を行く(9) ホータン ラマダン明け前の市場
エマージング・マーケット
中国・東アジア

昼はラグメンを食べる。そして私は昨日来たばかりだが、一行の半分以上が午後帰国の途に就いた。殆ど擦れ違いであったが、驚くような出会いもあった。銀行員時代に香港でお会いした方がそこにおられたのである。また東京の家が歩いて10分というご近所の親子もいた。名物の干しブドウを買い、別れた。
我々はバザールへ向かうことになった。歩くと遠いということでタクシーを使う。3ぐらい離れた所に大きなバザールがあった。しかもラマダン明け直前ということで結構な賑わいを見せていた。気を付けて歩かないとはぐれるほどであった。
食品からスカーフなど衣料品まで実に多くの物が扱われていた。ホータンは絨毯でも有名な街。全て手織りで、精緻な模様は伝承により織られるという。ベテランでも一日に3も進めばよいとか。ちょっとした物でも仕上げるのに半年から1年は掛かる。バザールにも沢山絨毯は売られているが、聞けば多くが内地から来ており、地元の物は殆どない。「機械で織る安い絨毯が入ってきて、地元の産業も廃れた。未だに手で織っている物は、高級品として市場には出回らない」という。シルクも同じだろう。
子供達も働いていた。市場では子供を含めた一家で商売をしている例が多いが、やはり子供の存在は気になる。お婆さんを助ける孫娘、自ら秤を持って商売する男の子、生活とは、学問とは何か、と思ってしまう。表面的には豊かではなくても、心は豊かかもしれない。
羊の丸焼きを見て、「昨日の村の大宴会は凄かった」と皆が言う。村では外国人が珍しかったらしく、羊を潰して歓迎してくれたらしい。そうなれば食べない訳には行かず、勿論飲まない訳にもいかない。これは十分理解できる。しかもラマダン中だ。お祭りのような物だ。私が取り残された理由に納得。
帰りは歩いて行く。N教授はナンを焼く竈に異常に興味を示し、写真を撮り、中を覗かせてもらっている。日本にこの竈を待ちかえり、ナンを焼きたいらしい。ナンはここで食べるから美味しいのではないか、とも思うのだが、ついでにケバブ台も持ち帰り、日本の山の中で暮らしたいという。うーん。
中華宴会
夜はJ教授のお知り合いなどが参加して宴会となる。ただ時期的な問題(ラマダン)もあり、街中のウイグルレストランで派手に宴会するのは憚られる、というので、ホテルの中華宴会となる。普通の中華が並ぶ中、態々取り寄せて食べさせてもらった、羊肉と汁がたっぷり詰まった肉まんは美味だった。私は羊スープが飲みたいと思ったが、出なかった、残念。
《須賀 努》
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