パナソニックは、HIT太陽電池で、実用サイズ(100平方センチ以上)の結晶シリコン系太陽電池の変換効率としては世界最高となる24.7%を、セル厚み98μmにて、研究レベルで達成したと発表した。
今回、単結晶基板上に、より高品質なアモルファスシリコン膜を基板表面へのダメージを抑制しながら形成する技術を確立。その結果、キャリア(電荷)の再結合損失を低減し、開放電圧を従来の0.748Vから、0.750Vへと改善した。
また、単結晶シリコン基板を覆うアモルファスシリコン層および透明導電膜層の光吸収損失を低減するとともに、セル表面のグリッド電極の面積を減少させることで遮光損失も低減。その結果、短絡電流密度を38.9mA/平方センチから39.5mA/平方センチへと改善した。
今回達成した変換効率は、HIT太陽電池の過去最高値(23.9%)を0.8ポイント、これまで実用サイズで報告されている単結晶シリコン太陽電池の最高値を0.5ポイント上回る値であり、HIT太陽電池が極めて高い変換効率を有していることを実証した。
また、セル厚み98μmで世界最高効率を更新できたことは低コスト化の観点でも意義は大きく、パナソニックは他社に対する差別化戦略として高効率化と低コスト化の両立を推進していく。