【VW ザ・ビートル カブリオレ試乗】走行中でもトップ開閉できるのはサイコーのギミック…諸星陽一

試乗記 輸入車
VW ザ・ビートル カブリオレ
VW ザ・ビートル カブリオレ 全 12 枚 拡大写真

フォルクスワーゲンの『ザ・ビートル』にカブリオレ仕様が追加された。トップは電動のソフトトップ方式で、ビートルの伝統に則ってインボードされることなく、外側にきれいな形状を持ってたたまれる方式を採用している。

私はかつて初代のユーノス『ロードスター』に乗っていた。このクルマは手動のソフトトップを持つのだが、止まった状態でオープンにするのではなく、走り始めてから「ヨッコラショ」とトップを開けていた。なぜかって、それはカッコつけていたからにほかならない。止まっている状態でモタモタとソフトトップを開けている姿は、じつにカッコ悪いものだ。

その点、このザ・ビートルカブリオレはいい。50km/hまでであれば走りながらもオープンにできる。その間わずか9.5秒だ。高速道路のサービスエリアから出るときだって、走りながらオープンにできるレベルの速度&時間設定だ。オープンで走っているときは若干風を巻き込むけど、大きく気になるレベルではない。肩から下の身体にはあまり風を感じず、太ももも寒くない。

オープンボディならではの心配事はボディの剛性感だが、これがけっこうしっかりとしている。高速道路を100km/hで走っていても剛性不足は感じないし、段差越えでも同様。さらにソフトトップを開けた状態でも、Aピラーまわりがビビるようなこともなかった。

搭載されるエンジンは1.2リットルのターボだが、これが必要にして十分。最高出力も105馬力と控え目だが、高速道路でもワインディングでも十分なトルク感を持っている。組み合わされるミッションは7速のDSGなので、変速時のショックも少ない。ただし、発進時のクリープはないので、軽くアクセルを踏んでやる必要があり、この部分には使いにくさが残る。

2ドアオープンながら、ソフトトップをインボードしないためトランク容量は225リットルと余裕がある。さらにトランクスルーも装備するので、実用性も高い。スポーツカーでもプレミアムカーでもない、オープンカーの魅力が詰め込まれたクルマがこのザ・ビートル カブリオレだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 軽オープンスポーツカー、2代目ダイハツ『コペン』が誕生!!
  2. ランドローバーが『ベイビーディフェンダー』発売ってほんと? これが市販デザインだ!
  3. 「さすが俺達の日産技術陣!」日産の新型EVセダン『N7』にSNS反応、「カッコ良すぎないか」などデザイン評価
  4. ヤマハの125ccスクーター『NMAX 125 Tech MAX』が世界的デザイン賞、ヤマハとしては14年連続受賞
  5. ゴミ回収箱に人が入ることは予見不能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  2. “走る巨大バッテリー”の実力! BEV+家電は悪天候でも快適に遊べる組み合わせだった
  3. BYDが「軽EV」の日本導入を正式発表、2026年後半に
  4. EVシフトの大減速、COP消滅の危機…2024年を振り返りこの先を考える 【池田直渡の着眼大局】
  5. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
ランキングをもっと見る