ホンダは6月14日、F1復帰に関する追加会見を開催した。今回ホンダのF1事業を統括する本田技術研究所の新井康久取締役は、「上から降りてきた意志では勝てない」と参戦の意志決定について背景を話した。
先日のF1復帰発表では、その背景にレギュレーションの変更と、F1技術の市販車への応用が見込めるという合理的な判断が参戦へと繋がったとされた。
今回の会見ではそれらに加え、現場の技術者の意志が原動力であったことを新井氏が改めて述べた。
新井氏はF1復帰の意志決定について「参戦の意志がトップダウンで来ることはないですね。研究所はいつもレースを、F1をやりたいという想いでいます。F1をやりたい人は沢山いて、F1をやりたくて会社に入ってきた人もいます」とし、「上からの意志では勝てません。現場の意志でやるんだ、勝つんだという空気を(上層部に)感じていただいたのではないか」と話した。
撤退についても振り返り「“撤退”というのは重い。いまでも重いです。当時の経営状況からすると、社内外に対して“撤退”という言葉を使う必要があったのだと理解しています。一方で、現場ではある程度の形になってきていたところでしたので、技術者として個人的にも悔しい想いでした」とした。
「いつの世、いつの時代もやるんだというのがホンダのエンジニアの想い。今ここでやらなくてどうするんだというのが社内の想いです。レギュレーションの変更はいいきっかけですね」と話した。