日本民営鉄道協会(民鉄協)は7月31日、大手民鉄16社の2012年度の輸送量と設備投資の実績、本年度の設備投資計画などをまとめた。
2012年度は、16社合計の旅客輸送人員が前年度に比べ1.8%増の95億5900万人。内訳は定期外旅客が2.5%増の39億7400万人、定期旅客が1.4%増の55億8400万人だった。地域別では関東9社で2.2%、関西5社で0.5%、それぞれ増えている。主要区間におけるラッシュ時1時間の混雑率は150%だった。
営業収支は、営業収入の1兆6114億円に対し営業費用は1兆3285億円で、全体では2829億円の黒字だった。設備投資の総額は3113億円で、都心への乗り入れ工事や駅の改良、車両の新造などの輸送力増強工事に593億円、運転保安設備の整備や耐震補強工事、線路の立体化など安全対策に1633億円、バリアフリー化などサービス改善工事に813億円をそれぞれ投じた。
2013年度の設備投資計画は総額3335億円で、輸送力増強工事に640億円、安全対策に1866億円、サービス改善工事に777億円を投じる。エスカレーター設置駅は2012年度の実績より7駅増やして728駅とし、エレベーター設置駅も20駅増やして1037駅にする計画だ。
16社の主要36線区におけるラッシュ1時間あたりの混雑率は、2012年度とほぼ同じ151%を見込む。多くの路線は横ばいか、1~3%程度の微増または微減だが、伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の小菅~北千住方向は12%増の148%になることが見込まれている。
民鉄協では、東武鉄道と西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄、東京急行電鉄(東急)、京浜急行電鉄(京急)、東京地下鉄(東京メトロ)、相模鉄道(相鉄)、名古屋鉄道(名鉄)、近畿日本鉄道(近鉄)、南海電気鉄道、京阪電気鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道、西日本鉄道(西鉄)を「大手民鉄16社」としている。