マレーシア総選挙、期日前投票なければ野党が勝利か

エマージング・マーケット 東南アジア

マレーシアン・インサイダーによると、5月5日に行われた総選挙の投票パターン分析を行なった世論調査機関のムルデカ・センターは、公正性・透明性に疑問の声が上がっている郵送や期日前投票の制度がなかった場合、与党連合・国民戦線(BN)が敗れていた可能性があると指摘した。

総選挙では下院(定数222)選挙でBNが133議席を獲得し、過半数を維持した。しかし郵送や期日前投票だけでBNが22議席を獲得しており、これがなかった場合には野党連合・人民同盟(PR)と111議席ずつを分け合う結果になったという。与野党の議席が同数だった場合、BN構成党であるマレーシア・インド人会議(MIC)の2つの閣僚ポストはなくなっていたとみられる。

選挙委員会(EC)によると、郵送・期日前投票の総数は約37万2,000票。多くが警察官や軍人などが占めている。ムルデカ・センターは、郵送・期日前投票が行われなかった場合にBNが敗れていたとみられる選挙区について▽セガマット▽バガン・セライ▽ムアル▽プライ▽ジェライ▽バリク・プラウ▽マチャン▽ラビス▽クアラセランゴール--などを挙げた。いずれもBNの得票率が70%から90%と異常に高く、PRがBNを上回った全国の得票率と大きな隔たりがある。

MICのG.パラニベル党首が462票差で勝利したキャメロン・ハイランド選挙区では、郵送・期日前投票で実に91.3%がパラニベル氏が獲得したが、仮にこれを含めない場合には同氏が敗北していたはずだった。同様にラビス選挙区でも、野党候補が勝っていたはずだったという。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. デンソー・人事情報 2026年1月1日付
  2. 新型ホンダ『CR-V』発表に「おかえり!」「カッコいい」など反響、最注目の価格は…
  3. トヨタ『ハイラックス』新型、まずはディーゼルの5グレードを豪州発売…約355万円から
  4. 分割式で取り付け簡単、MAXWINの金属製スノーチェーン「K-TIR08」発売
  5. メルセデスベンツ、新型電動ミニバン『VLE』を2026年3月世界初公開へ
  6. ポルシェ『カイエン』新型、新世代のデジタルコックピットとAI音声操作を搭載
  7. 「初代エンブレム エモい」ホンダ『ステップワゴン』が30周年! 特別仕様車にSNSで感動の声
  8. 15年の沈黙を経て...アウディ『RS6 セダン』、デジタルで先行復活!
  9. プジョー『2008』のタイヤ空気圧がおかしいんだが…12月掲載のリコール記事ランキング
  10. トヨタ『RAV4』新型、ジェイテクトの協調操舵技術「Pairdriver」初搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る