【メルセデスベンツ CLA 試乗】価格を超えた存在感と迫力、エレガンスに魅了された…青山尚暉

試乗記 輸入車
CLA180
CLA180 全 18 枚 拡大写真

メルセデスベンツ『CLA』は、『CLS』を思わせるまったく新しく美しいスタイリッシュスポーツクーペである。

基本骨格はA/BクラスのFFプラットフォーム。しかし『Aクラス』に対して全幅、全高はほぼ同じながら全長を35cm延長。Aクラスとは別格の伸びやかさとエレガントさあるスタイリングが見事だ。顔つきの迫力、精悍(せいかん)さは価格を超えたものと言ってよく、それこそ500万円以上の価格を想像させる佇(たたず)まいを見せる。ちなみにボディーサイズとしては『Cクラス』に近い。

試乗したCLA180は新開発された1.6リットル、122psのターボエンジンを搭載。ミッションは2ペダルのマニュアルミッション=7速DTCだ。価格は335万円~。A180の284万円~に対して51万円高とはいえ、CLAは18インチタイヤ&ホイールが標準であり、実質的な価格差はグッと縮まる。

室内はインパネ回りこそAクラスそのものだが、後席にもスポーティーなハイバックシートを採用。よりスポーティーかつパーソナルな雰囲気を強調する。その後席は外から見ると狭そうだが、身長172cmのドライバー基準で頭上に7cm(サンルーフ 装着車)、ひざ回りに14cmのスペースがあり、さらに前方見通し性に優れるため大人4人の中距離ドライブでもそれほど窮屈さは感じないはずだ。

トランクスペースは奥行き約90cm、最大幅約117cmもあるから十分以上。衝突警告システム、運転者疲労眠気感知機能など先進安全装備も満載している。

そんなCLA180は操縦性こそ特別にスポーティーなものではないが、18インチタイヤを装着するため走りは至って軽快。それゆえ乗り心地は段差越えなどで硬さを感じ、突き上げ感もそれなり。ボディーのきしみも皆無とは言えない。が、良路ではフラットライドに徹してくれるから快適だ。

加速力は同エンジンを積むA180より車重が40kgほど重く、出足から2000回転以下の領域ではややトルク不足を感じてしまいがち。だが、そこから上の領域ではスムーズに変速する7速DTCの制御の良さもあって伸びやかで力強い加速力を発揮。動力性能は必要十分と思える。

また、CLAはパドルシフトを標準装備。シフトダウンしたときのスポーティーな快音が気持ちいい。

巡行中はエンジン回転がごく低く抑えられ、量販車世界最高レベルのCD値0.23 を誇るエアロボディーのおかげもあって静粛性は文句なしのレベル。適度にスポーティーな走りとラグジュアリーな世界を見事に両立している。

より高いパフォーマンスを望むなら250、45AMGもラインアップされるが、 CLA180の買い得感、価格対見栄え度の強さは特筆すべき点であり、このクラスのハッチバックやセダン、ワゴンでは物足りないユーザーに大きくアピールするはずだ。欲を言えば、もう少し乗り心地寄りの足回りでもいいと思えるのだが…。そうなれば愛犬とエレガントにドライブするにもよりふさわしくなりそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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