コンチネンタル・ジャパン パワートレイン部門の日本&ASEAN地域担当である田中昌一上級副社長から、パワートレインのマネージメントシステムにおけるこれからの展望を解説してもらった。
それによると今後、新興国での需要増を背景に2025年までクルマの生産台数は増え続けると予測しているが、アイドリングストップ機構も持たない純粋に内燃機エンジンだけのクルマは1割程度までにまで減少するという。ただ、それでも内燃機を使ったクルマは全体の9割以上を占めており、EVはPHVを含めても6%に過ぎないと見ている。つまり、今後も駆動用モーターも含めエンジンの電子制御化は進み、高効率化によってクリーンな排気ガスと省燃費を進めていくというのが同社の予測なのである。
コンチネンタルはシャーシ技術だけでなく、エンジンのマネージメントシステムについても世界中の自動車メーカーに供給している。ECUやそれに付随するセンサー、アクチュエーターなどを生産するだけでなく、組み合わせるエンジンとのセッティング作業まで含めたパワートレーンの開発全体までカスタマーの要望に合わせて対応出来る、というのが同社の強みであると言う。
今後は、新興国でも厳しくなっていく排気ガス規制への対応とコストダウンをいかに両立していくかが、ポイントとなるようだ。
プレゼンが終了すると、会場の後ろに展示されたコンチネンタルの製品についても説明を受けた。
どこかでみたような縦置きCVTの本体には、制御用のECUが組み込まれて一体化している。摂氏145度まで耐えられる、耐熱性の高いECUを開発できたことがこれを可能にした。
通常ECUなどの基盤にはエポキシ樹脂を用いるが、それでは耐熱性が高くないので難しい。このECUの場合、基盤にはセラミックを使っていると言う。セラミックは耐熱性と絶縁性に優れた素材だ。もちろん基盤だけでなく、搭載されるCPUやメモリなども耐熱性が高いものを使わなければ安定した性能は実現できない。
ESCや自動ブレーキなどを制御するため、それぞれのタイヤ(ハブ)には回転を検知するセンサーが取り付けられていることはご存知だろう。ここで紹介されていたのは、現行の回転速センサーと次世代型。現行型でも本体は5~6mm四方で端子が伸びているが、次世代型はさらに小さい。2~3mm四方といったところだ。こうしたことで車体の軽量化が進むのだろう。
さらにはブレーキもアルミ合金製のブースターや、ブースター自体を不要とするポンプ内蔵でバイワイヤ型のブレーキシステムなど、軽量化やコストダウンを可能とする製品も並んでいた。