マレーシア先住民優遇策は「怠惰にさせるだけ」=ザイド元首相府相

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野党・国民幸福党(KITA)のザイド・イブラヒム党首は、先にナジブ・ラザク首相が発表したブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)の追加経済優遇政策について、「ブミを怠惰にさせるだけ」と批判した。

ザイド氏は、政府が生活改善を進めるために政策をひとつの民族に絞って行なうべきでなく、民族に関わらずニーズにあわせて行なうべきと指摘。「(ブミ優遇策は)浅薄な政策。私はブミだけを特別扱いする必要性を認めない」と述べ、国民が皆平等に扱われるべきとした。

ザイド氏はまた、優遇策なしにブミが競争していけないとの論法を否定。むしろブミ優遇策がブミを怠惰にさせており、ブミが優遇策の依存症になっていると指摘した。

ナジブ首相の追加ブミ優遇政策については、政治アナリストらは近く行われる与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)総裁選挙を見据えてブミの基盤がためをする思惑があると指摘しているが、非ブミはもちろん、ブミの間からも「平等をうたった憲法に抵触する」(法律専門家のアズミ・シャロン博士)との批判の声もあがっている。

ザイド氏は、アブドラ前首相時代に法務担当の首相府相に就任したが、半年足らずで国内治安維持法(ISA)の適用による相次ぐ逮捕に抗議して閣僚職を辞任。その後、野党への急接近を理由に除名された。2009年6月に野党・人民正義党(PKR)に入党したものの2010年11月に離党し、第3の勢力結集に向けてマレーシア人民正義戦線(AKIM、現在のKITA)に合流した。
(マレーシアン・インサイダー、9月19日)

伊藤 祐介

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