【スマートモビリティアジア13】基調講演、九州大学 安浦寛人理事・副学長「都市活力はモビリティから」

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九州大学 安浦寛人理事・副学長
九州大学 安浦寛人理事・副学長 全 5 枚 拡大写真

スマートモビリティアジア13が福岡市で開幕した。基調講演に登壇した九州大学 安浦寛人理事・副学長は、「ビッグデータとモビリティ」について見解を述べた。都市づくりはモビリティが基盤になると強調した。

安浦氏が定義する「ビッグデータ」とは、都市づくりと密接に関係したものだ。さまざまなビッグデータが存在するなか、講演の切り口となったのは、モビリティ=人の移動と都市のありかたである。

国や自治体が持つビッグデータをいかに活用するか。そして都市の成長に結びつけるかという課題に言及した安浦氏は「ヒトやモノの流れ」に着眼すべきと解く。この“流れ”に関する情報を利用して、街を設計することが、今後の街づくりや都市の成長に欠かせないという。

「ヒトやモノのモビリティ」と並んで大切なことは「エネルギーのモビリティ」「情報のモビリティ」であるとした。これらを平準化して負荷を分散するためにはビッグデータの活用が求められる。

こうした考えのもと、安浦氏は都市づくりの実例として福岡市の「ふくおか火事ドコ?まっぷ」を挙げた。事故や火災の情報を位置情報とともに共有し、市民の移動の安全、効率化に寄与するというもの。ポイントは、情報の公開範囲だ。公共機関であれ、民間であれ、ビッグデータを収集、所持し、それを公共のために利用するのか、ビジネスと見なして収益の源泉にするのか。どこまでを公に、どこまでを私的に利用するのかという線引きが、各組織、団体、企業の取り組みの成否を分けることになる。

安浦氏の視点は高い位置にある。世界のなかの日本、日本のなかの各都市。そこでのモビリティとビッグデータの使い方を解説した。目的よりもまずは実行例を羅列された格好だ。最終目的が公共の福祉なのか、収益なのかといった“果実”の方向性を、取り組みの当初から明確にしてしまうのは、可能性を自ら断ってしまうことに等しいのかもしれない。

《スマートモビリティアジア:水素モビリティイベントのお知らせ》

スマートモビリティアジア2013@福岡(10/10~10/12)

水素モビリティ講演会 10月12日(土)
場所:九州大学伊都キャンパス

1)燃料電池自動車同乗試乗体験:10:00-13:00

本田技研工業:FCXクラリティ
トヨタ自動車:トヨタFCHV-adv
日産自動車:05FCV

2)燃料電池講演会:「燃料電池が切り開く新しい未来」:14:25-16:05

講演1:
九州大学 次世代燃料電池産学連携研究センター
主幹教授 センター長 佐々木 一成 氏

講演2:
トヨタ自動車株式会社 製品企画部
製品企画主査 田中 義和氏

講演3:
株式会社本田技術研究所
四輪R&Dセンター第5技術開発室
上席研究員 守谷 隆史 氏

講演4:
日産自動車株式会社
企画・先行技術開発本部 FCEV開発推進室
室長 坂 幸真 氏

パネルディスカッション:16:20-17:00
パネラー:上記の各講師
モデレーター:レスポンス編集長 三浦 和也

《土屋篤司》

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