異教徒の「アラー」使用問題、政権が難しい立場に マレーシア

エマージング・マーケット 東南アジア

一神教の「神」を表す語として非イスラム教徒が「アラー」を使用することは認められないとする控訴審判決が出た問題で、非イスラム側のみならずイスラム側からも疑問の声が上がっており、特にキリスト教徒の多いサバ・サラワク州で波紋が広がっている。

判決を誘導した形となったナジブ・ラザク政権は難しい対応を迫られそうだ。

判決には国内のイスラム学者のほか、他のイスラム国家からも驚きの声が上がっており、アラブ首長国連邦(UAE)メディアは、「『アラー』はアラビア語源の「神」を表す言葉であり、イスラムの専有物だとする今回の判決は誤り」と断じている。

こうした非常識な判決が出た背景について英BBCは、マレー人票を奪いあう関係にある第一党・統一マレー国民組織(UMNO)と野党の汎マレーシア・イスラム党(PAS)の間に台頭するイスラム右派に媚びて、マレー人有権者受けを狙おうとする競争があると指摘。マレーシアの司法が政治から独立していないことを知っている多くの国内キリスト教徒はむしろ、冷ややかにこうした判決を予想していたと指摘している。

小栗 茂

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. ホンダ『CB1000F』早くも受注が1600台超に、年間生産計画5000台…CBオーナーイベント復活も計画
  2. AE86は今いくら?『頭文字D』登場車の市場を分析
  3. トヨタ『カムリ』新型に「GT-Sコンセプト」、スポーツセダンの新境地を提示…SEMA 2025
  4. 免許不要で歩道走行可能な新型4輪モビリティ、全幅59cmの「CURIO Q1」初公開へ…ジャパンモビリティショー2025
  5. トヨタ『RAV4』新型、パワーと燃費向上の第5世代ハイブリッド搭載…12月米国発売へ
  6. BMW 7シリーズ 初のスーパーセダン『M7』登場!? SUV版『X7M』も同時発売か
  7. 「マジで来ちゃった!」中国ミニバンの日本導入発表に、SNSでは驚きの声「よく作り込んでる」「加速がすごい」など話題に
  8. 米トヨタ、新世代オーディオマルチメディアシステム発表…『RAV4』新型から搭載へ
  9. 【メルセデスベンツ CLA 新型試乗】現行最終モデルでも色褪せない、デザインと乗り味…島崎七生人
  10. 中国製高級ミニバンが日本初上陸、『ZEEKR 009』を国内販売へ…ジャパンモビリティショー2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る