米国の有力消費者誌、『コンシューマーリポート』は10月28日、トヨタ自動車の3車種を「衝突安全テストの結果が悪い」として、消費者への推奨リストから外すと発表した。
この3車種とは、『カムリ』、『プリウスV』(日本名:『プリウスα』、『RAV4』。いずれも米国市場では、トヨタの販売の主力モデルだ。
『コンシューマーリポート』誌が、この3車種を推奨リストから外した理由が、米国IIHS(道路安全保険協会)が実施した「スモールオーバーラップ」と呼ばれる新方式の衝突安全テスト。IIHSのスモールオーバーラップテストは、フロント部分の運転席側1/4が当たるようにオフセットさせて、固定バリアに64km/hでぶつける。実際の衝突事故に、より近づけるための追加テストだ。車両のメインフレームよりも外側に大きな衝撃がかかるため、厳しい判定を下されるモデルが多い。
このIIHSのスモールオーバーラップテストで、カムリ、プリウスV、 RAV4は、いずれも4段階評価で最低のPOOR(不可)という判定。IIHSはトヨタの3車がスモールオーバーラップテスト時、ドアヒンジピラーやインパネが室内側へ大きく入り込み、ドライバーに残された空間が少ない点を問題視した。
今回、『コンシューマーリポート』誌では、このIIHSスモールオーバーラップテストの結果を、消費者に推奨するか否かの判断材料に導入。同誌は、「すでにIIHSは60台以上のスモールオーバーラップテストを行い、11台を最高、15台を最低と評価した。いくつかの自動車メーカーは、車の設計を見直す必要がある。我々は消費者の安全な新車選びを助けるために、IIHSのテストで最低評価となったモデルを、推奨リストから外すことにした」と説明している。