パナソニック、2018年度の“車載2兆円”に向けて勝算?

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パナソニックのEVコンポーネンツ搭載デモ
パナソニックのEVコンポーネンツ搭載デモ 全 2 枚 拡大写真

パナソニックが全社あげて取り組んでいるビジネスの一つに自動車産業がある。自動車向けビジネスの売上高は2012年度で約1兆円。それを2018年には倍の2兆円にまで拡大する戦略を描いている。

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「現在、自動車産業では車の電子化、電動化という大きな技術変化が起きている。それをしっかりと捉えることができれば、当社の事業は飛躍的に増大できると思う」と津賀一宏社長は話す。

パナソニックでは、バッテリーシステムのみならず、コックピットシステムやさまざまなセンサー、カメラを含めて総合的に自動車メーカーに提案していく方針だ。「ガソリン車の場合では台当たり数万円の納入ビジネスが、ハイブリッド車、電気自動車では一気に10倍以上に膨らむ可能性が出てきます」と津賀社長。

最近では、米国テスラモーターと2014年からの4年間で約20億個の円筒形リチウム電池を供給することで合意。他のメーカーからも供給の打診をもらっているそうだ。そのため、すでに決まっていた130億円の投資に加え、180億円の追加投資を決定した。しかも、既存の拠点や遊休施設を活用することで投資対効果の最大化を図っていくという。

「既存事業の拡大だけで1.7兆円までの絵が見えてきた。あとは、カーメーカーが力を入れている安全安心分野など新たな領域において、M&Aやアライアンスなど積極的な展開を考えている」と津賀社長は、“車載2兆円”に向け、いかにも勝算ありげに話す。ただ、パナソニックが狙っているビジネスは他社も非常に力を入れている分野で、そのうえ自動車メーカーの要求は厳しい。果たして目論み通りに行くかどうか、絵に描いた餅に終わらなければいいのだが……。

《山田清志》

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