JR西日本は11月20日、連結部で乗客の転落を防ぐ「転落防止ホロ」について、今後新製する先頭車に一部を除き標準装備することを検討していると発表した。先頭車用の新たな転落防止ホロを開発し、このたび製造された新型車に設置した。
中間車同士の連結面への転落防止ホロ設置は従来から行われてきたが、2010年12月に山陽本線の舞子駅で乗客が先頭車同士の連結面から転落、死亡した事故を受け、JR西日本は先頭車同士の連結部での安全対策強化を検討。これまで暫定的な対策として、ヘッドライトの点灯や、車両に音声による警報装置設置などを行ってきた。
先頭車への転落防止ホロ設置は、運転席からの視野確保や車体洗浄機への対応、騒音や着氷雪などの課題があったが、新たに開発された「先頭車間転落防止ホロ」はこれらを解決。北陸線向けの新型車両、521系3次車に設置した。
521系3次車にはそのほか、新たな安全対策として、列車の脱線や衝突などの異常事態を加速度をもとに検知し、緊急停止や周囲の列車に緊急停止を伝える防護無線を発信するなど、事故の被害拡大を防止する機能を自動で行う「車両異常挙動検知システム」も搭載した。