【新聞ウォッチ】「何それ?」混沌の自動車課税見直し、取得税に「基礎控除」案も浮上

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2013年11月29日付

●高速割引平日昼間を廃止、都市部は休日も(読売・1面)

●車取得税に「基礎控除」消費税8%時総務省案、業界反発見直しも(読売・9面)

●経済人・作家堤清二さん死去、セゾン文化一時代(朝日・1面)

●東証、6年ぶり高値、1万5727円、緩和マネー流入(朝日・8面)

●バイク市場復活の兆し、安い新興国産若者に人気(朝日・11面)

●トヨタなど3社海外生産が最高、10月(朝日・11面)

●今年のヒット商品、横綱「アベノミクス」(朝日・11面)

●ヤマト、荷受け制限検討、クール宅急便の違反、今夏4割(朝日・39面)

●働きやすさ・成長性総合評価1位セブン&アイ、2位はトヨタ(日経・1面)

●自動運転車20年に実用化、富士重、既存技術で低価格(日経・13面)

●注目企業投資家に語る、マツダ・小飼雅道社長、円安に頼らず自力成長(日経・19面)

●トラクター窃盗団暗躍、海外へ転売目的か(日経・43面)

ひとくちコメント

自動車業界が求めているのは複雑すぎる自動車諸税の簡素化ではないのか。そんな要望に逆行するような自動車課税の見直し案が浮上してきた。

きょうの各紙も報じているが、総務省は、来年4月に消費税率を8%に引き上げる際の自動車取得税(都道府県税)軽減策として、一定の燃費基準を満たすことを条件に、60万~100万円を課税対象から差し引く「基礎控除」を導入する案を自民党税制調査会小委員会に示したという。

新車購入時に支払う自動車取得税は、車両価格の9割を「購入額」とみなし、自家用車は5%、営業車と軽自動車は3%を都道府県に納める。それを消費税率が10%になる時点で廃止されるが、8%段階での対応は決まっていないため、自動車業界は取得税率の一律3%引き下げを求めている。

それに対して浮上したのが「基礎控除」案。基礎控除いえば、確定申告などの際に収入のある人全てが対象で、一定の条件は必要なく無条件で所得から差し引かれるものだが、その仕組みを自動車購入時に支払う取得税に導入するというものだ。

記事によると、総務省は購入額から60万円、80万円、100万円を控除する案を提示したという。その試算によると、価格1362万円の高級車(エコカー減税なし)の取得税は現行61万3000円。業界案ではこれが24.5万円まで減るが、総務省案だと100万円控除でも56万3000円。ハイブリッド車などのエコカーは現行も非課税だが、エコカーではない141万円の車の場合、業界案では取得税が2万5000円に対し、80万円控除と100万円控除ではいずれも税額がゼロになる。

エコカーに限らず低価格車では取得税がゼロになるが、その代わりに買った年の自動車税(保有税)には、燃費性能に応じた加算をする案も検討されている。ただ、焦点となっている軽自動車税の増税幅は、現時点では具体的な提示がなく藪の中。

日経は解説で「取得税を廃止して取得税によく似た新たな仕組みを作る、というわかりにくい中身」と指摘。産経なども「『仕組みが複雑過ぎる』。同日の自民税調の会合で、総務省が示した案に対して経産部会から批判の声があがった」と伝えている。

議論を重ねることは悪いことではないが、財源を確保するのが前提の複数案が飛び交えば、簡素化のはずが、かえって複雑になるのは当たり前である。

《福田俊之》

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