日本精工は、グローバル展開する複数車種に対して共通の設計で対応する「モジュール化」に適した電動パワーステアリング(EPS)「モジュール化対応高機能電動パワーステアリング」を開発したと発表した。
開発品は、グローバルに生産される車種で、各地域で要求される様々な高機能なニーズに対して、幅広く対応可能で、軽量化と安全性の向上を大幅なコストアップを抑えながら、実現したとしている。
EPSを制御するECUには、従来の2倍以上の高い演算性能を持たせた。これにより、パーキング・アシストやレーンキープから将来を見据えた自動運転の支援までを想定した、グローバルに多様化する高機能なニーズに対応できるソフトウェアを開発した。
ECUには2つのプロセッサを持つマイコンを採用し、相互の状態をモニターすることで、高精度で高速な故障検知機能を実現、EPSの安全性を高めた。放熱ヒートシンクなどの小型化、部品点数の削減、シンプルな構造などにより、ECUを従来品に比べ24%軽量化したのに加え、小型化も実現した。モータの小型化も含め、全体で約10%の軽量化を実現した。
既存のEPSの構成部品を活用し、多様な高機能ニーズにソフトウェアの仕様変更で対応可能にしたことで、コストアップを抑え、開発期間の短縮も図った。
同社では、新製品の売上げについて2017年に350億円を目指す。