【VW ゴルフ ヴァリアント 試乗】ライバル不在、ジャストサイズのペットフレンドリーワゴン…青山尚暉

自動車 ニューモデル 新型車
VW ゴルフ ヴァリアント ハイライン
VW ゴルフ ヴァリアント ハイライン 全 20 枚 拡大写真

VWの新型『ゴルフ ヴァリアント』はワゴンとしても本格的な一台だ。

前後席の広さはハッチバック版の『ゴルフ』と変わるところはないが、 とにかく荷室は広大。

荷室の開口部地上高は630mm。段差は30mmと最小限で、重い 荷物の出し入れや大型犬などペットの乗降に適する。スクエアな開 口部は幅1040mm、高さ760mmと広々。フロアもまた奥行き 1050mm、幅1270mmと広大(605リットル)。後席を荷室 壁面のレバーによるワンタッチ操作で倒せば奥行きは1660mm(フロア長)まで拡大する。これなら大人が横になって仮眠することも可能だ。

さらにトノカバー、荷室とキャビンを仕切るネットパーテーションは床下にすっきり格納できるのも新型ならではの芸当だ。

ところで、荷室回りをいじっていると大発見! フロアボードは逆V字に畳むことができ、しっかりと固定できるのだが、そうすると後席背後に奥行き380mm、幅980mmの中大型犬なら無理なく乗れる"3列目席"ス ペース!?が出現(写真参照)。車内を人+人+犬+荷物の4分割にできるわけだ。後席背後はネットでパーテーションでき、犬連れのドライブもより安全快適で、理想的だ(コンフォートラインでも可) 。これで荷物積載部分にもう1枚ボードがあって、スペアタイヤ丸出しにならなければ文句なしである。OP設定を期待したい。

ここで試乗したのは322.5万円となる1.4リットルターボエンジンを積むハイライン。JC08モード燃費は19.5km/リットル。ゴルフのハイラインは19.9km/リットルだが、60kg重いことを考えれば優秀。実燃費上ではほぼ誤差の範囲に近いと思う。

もちろん、ゴルフ同様、プリクラッシュブレーキシステム、シティ エマージェンシーブレーキ、アクティブクルーズコントロールやレーンキープアシストシステム先進安全装備も満載である。

走らせれば、ゴルフのハイラインとまったく変わらないウルトラスムーズなエンジンのトルク感溢(あふ)れる上質にして痛快な加速力、高級車さながらの重厚な乗り心地&静粛性に感動できる。操縦性はコンフォートラインの16インチタイヤに対して17インチタイヤを履くためよりリニアかつキビキビ。安定感も究極だ。

問題はコンフォートラインとの価格差53万円だが、走りの質感、 乗り心地、LEDポジショニングランプなどの装備の違い、コンフォートラインでは装着、OP選択不可能な装備類の差もあって、個人的には妥当どころか、長く乗るのであれば、むしろこちらを選ぶべきだとさえ思える。

もちろん、愛犬を後席、荷室に乗せるにしても、コンフォートラインより乗り心地がいいのだから、犬にも感謝されることだろう。

重要なことは、ゴルフヴァリアントはドイツ製ワゴンとしてライバルなき存在ということ。メルセデスベンツはCクラス、アウディも A4、BMWも3シリーズ以上にしかワゴンはない。日本の路上にジャストなサイズのコンパクト輸入ワゴンを探している人にはこれしかない選択なのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る