【マツダ アクセラ セダン 試乗】走りは十分、1.5は装備の選択肢がもっとあってもいい…松下宏

試乗記 国産車
マツダ・アクセラ
マツダ・アクセラ 全 11 枚 拡大写真
新型『アクセラ』には5ドアのスポーツとセダンの2種類のボディがあり、ボディによって搭載されるパワートレーンに違いがある。全部合わせればガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと3種類がそろう唯一の国産車だ(輸入車では数車種存在する)。

外観デザインはフロントから前席のドアの部分まではスポーツとセダンが共通。リヤドアから後方の部分が異なっている。セダンの後部はボクシーな感じではなく、流れるようなスタイリッシュな雰囲気が作られている。

インテリアは「マツダコネクト」と呼ぶ新しい操作系&表示系を主要モデルに採用したほか、上級グレードにはヘッドアップ・ディスプレーも採用した。残念ながらベースモデルとなる1.5リッター車にはこの設定がない。

モデルチェンジでボディが大きくなったので、室内空間などは余裕十分。トランク容量もしっかり確保されていて、実用性に不満はない。

アクセラセダンに搭載される1.5リットルのガソリンエンジンは、直噴仕様やミラーサイクル、13.0の高圧縮比などを採用したSKYACTIV-G 1.5で、82kW/144N・mの必要にして十分な動力性能を発生する。

アクセラセダンの車両重量は1200kg台なので、1.5リットルエンジンでもそれなりに良く走るクルマだといえる。ワインディングなどを元気良く走らせたいならともかく、タウンユースから高速クルージングまでの普通の走りなら、何の不満もなくこなせる実力がある。

乗り心地はやや硬めの印象。最近のマツダ車は、かつてのキビキビ感というかスポーティ感を抑えて、リニアな走行感覚を大事にするようになっていて、アクセラもその流れの中にある。ただ、柔らかめの味付けで乗り心地の良さを感じさせるような足回りではなく、しっかりした感覚があった。

新型アクセラセダンは、立ち上がりの時点ではハイブリッドもそこそこ良く売れているようだが、アクセラはこれまでも1.5リットル車のユーザーが多いので、長期的にはセダンの大半が1.5リットル車という売れ方になっていくと思う。

だとしたら、15Sにもヘッドアップ・ディスプレーなど、マツダの最新の仕様を用意してほしいところ。オプションで選べるような設定にはできないものか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 空冷ポルシェで1台2億円!? マニア垂涎『シンガー911 DLS』とは
  2. ホンダ『ヴェゼル』、新グレード「RS」先行予約開始…10月発売へ
  3. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  4. 三菱『エクリプス クロス』新型、航続600kmのEVに…ルノーからOEM供給へ
  5. 顔が激変! BMWの最小SUV『X1』改良新型、ノイエクラッセ導入へ…プロトタイプを初スクープ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る