【MINI クラブバン 試乗】ライトバン感覚に仕上げられた一風変わったMINI…松下宏

試乗記 輸入車
ミニクラブパン
ミニクラブパン 全 14 枚 拡大写真

『MINI クラブバン』は『MINI クラブマン』をベースにした2シーターモデルで、後席のシートを外して大きなラゲッジスペースを作っている。クラブマン自体がハッチバック版に比べると240mmも長いので、クラブバンの後部ラゲッジスペースの容量はかなりの大きさがある。

【画像全14枚】

右側に2枚、左側に1枚という左右非対称のワンツードアを持つのもクラブマンと同じ。後部のバックドアは観音開きを採用する。荷室内の荷物を隠すために、リヤのクォーターウインドーは樹脂パネルでふさがれている。なので車庫入れのときの斜め後方視界は余り良くない。全体としてライトバン的な外観である。

このボディの使い勝手をどう考えるかでクラブバンに対する評価が決まると思う。乗車定員は2名だけで、座席と荷室の間に立派な格子の仕切りが設けられているから、前席のリクライニングもごく限定的である。人間が乗ることより後部に荷物を積むことを優先したモデルと思っていい。

クラブバンという名前ながら、このクルマはライトバン(商用車登録の4ナンバー車)ではなく、5ナンバーの乗用車として登録される。ライトバン感覚のモデルながら、税金や保険料などは乗用車のMINIを買うときと変わらない。

クラブバンは単一グレードで、MINIで言うと中間のクーパー仕様のエンジンが搭載されている。1.6リッターの自然吸気DOHCエンジンは、90kW/160Nmのパワー&トルクを発生する。6速ATとの組み合わせでけっこう良く走るクルマである。

走らせた印象は標準のMINIと変わらない。低めの着座位置で地面が近くに見え、硬めの乗り心地を感じさせる足回りによってゴーカート感覚の走りを示すなど、正にMINIの感覚である。

クラブバンに乗って感じたのは、だれが買うのかな、ということだった。ある意味で似た部分のあるルノーの『カングー』は広大な荷室空間を持つため相当な実用性があるが、クラブバンは乗車定員が2名であるなど、使い勝手が相当に限定的なものになる。

ラゲッジスペースだってクラブマンの後席を倒したときの方が容量が大きいというのだから、どう考えたら良いのかと思ってしまう。

本体価格は282万円で、後席がない分だけクラブマンに比べるとやや安い。でも例によってMINIはいろいろなオプションを装着したくなる。そうするとすぐに400万円近い価格になってしまうので、ますますだれが選ぶクルマなのかと思った。

実用性うんぬんではなく、ほかの人がめったに乗っていないような変わったクルマに乗りたい! そんなニーズを持つ人向けのクルマなのだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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