東京地方裁判所は、富士重工業が国を相手に提起した防衛省向け戦闘ヘリコプター「AH-64D」に関する経費の請求について棄却する判決を言い渡した。
富士重が防衛省から受注した戦闘ヘリコプターAH-64Dの生産を行うために発生した、防衛装備品製造のために支出される設計費、専用治工具費、技術提携費など、主に製造初期段階で支出される費用は、2002年度から2007年度まで、防衛省の要求により、他の防衛装備品と同様に、事業年度ごとに調達機数ごとに分割して支払われていた。
しかし、2008年度以降、防衛省は、戦闘ヘリコプターAH-64Dの初度費残額の負担を一切拒否する見解を示し、初度費残額は支払われていない。
富士重は、防衛省に対し、初度費残額の支払いを継続して請求してきたものの、防衛省から支払われていないため、2010年1月15日に東京地裁に対し、国を被告として、初度費の未償還額など351億2400万円の支払いを求めて提訴していた。
富士重では「主張が認められなかったことは大変遺憾であり、今後の対応は、判決の内容を精査し、訴訟代理人とも協議の上、決定する」としている。