マレーシア航空機不明、経営再建にもマイナス影響…株価も大幅下落

エマージング・マーケット 東南アジア
マレーシア航空
マレーシア航空 全 2 枚 拡大写真

北京行きのマレーシア航空(MAS)機MH370便が8日未明に消息不明になり、周辺各国が協力して捜索活動が続けられているが、手掛かりが見つかっておらず、今後の活動が長引くにつれコストが膨らむ可能性がある。

【画像全2枚】

すでに数四半期に渡り赤字に苦しんでいるMASの経営に大きなダメージとなることは必至とみられている。

MAS株価は下落傾向にあり、10日は一時1株20.5センにまで値を下げ、終値は若干持ち直して24センとなった。不明となっている機体や乗客、乗組員には保険が掛けられているが、MASが負担するコストは少額では済まないと見られている。

メイバンク・インベストメント・バンクのシニア・アナリスト、モシン・アジズ氏は、今回の事故によりMASの経営再建計画の今後の道が険しくなったと指摘。安全性には定評のあった航空会社が事故歴を持つことで、今後の保険掛金が増えることも予想され、コストの増幅は避けられないとの見方を示した。MASの2013年通年決算の純損失は11億7,000万リンギ。燃料コストや人件費、域内の格安航空会社との競争激化などが影響した。
一方で、MAS幹部は今後の事業戦略に関して匿名で「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対して、利益創出を目指す戦略に変わりはないとコメント。コスト削減や採算の合わない路線の合理化などを進めると述べた。

アナリストからはMH370便の消息不明に関して、MASの安全性に問題はなかったとする意見が出ている。マーキュリー・セキュリティーズのエドムンド・タム氏は、空港のセキュリティの問題が大きく露呈したと指摘。MAS株価の下落は事故のショックを受けた一時的なもので、今後株価は回復すると予想した。

MH370便の残骸などの手掛かりは依然として発見されておらず、計器類の不具合やテロリストによる襲撃などが起き、空中分解したとの観測が広まっている。不明機には盗難されたパスポートを使った乗客がいたことも判明しており、捜索活動は範囲を拡大して続けられている。

千田真理子

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. ホンダのSUV『パスポート』、オフロード性能を極めるコンセプトカー提案…SEMA 2025
  2. MASERATI 111th “永続する美と走り”をいま、あなたの週末へ。PR
  3. 日産 フェアレディZ をレーシングカーにカスタム、「NISMO GT-Z」発表へ…SEMA 2025
  4. 【スズキ ソリオバンディット 新型試乗】ソリオの魅力は“実用前提のちょうどよさ”にある…島崎七生人
  5. ミズノ、カーボン技術活用の新フットギア「MOBILARIA β」発表…ジャパンモビリティショー2025
  6. レクサスの新型「6輪ミニバン」の全貌が明らかに!「LS」はラグジュアリーセダンから「ラグジュアリースペース」へ…ジャパンモビリティショー2025
  7. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  8. アウディ『A2』が21年ぶりBEVで復活へ! 現ラインナップ2車種の後継に
  9. 【スバル クロストレック S:HEV 新型試乗】ストロングハイブリッドになっちゃって大丈夫なの?…10月の試乗記ベスト5
  10. マルチスズキ、ジムニー5ドアの輸出が10万台突破…最多出荷先は日本
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る