マレーシアを公式訪問したバラク・オバマ米国大統領が27日にマラヤ大学で開催した市民との対話集会でのイスラム優遇政策に関する批判的発言について、イスラム側から反発の声が上がっている。
オバマ大統領は「マレーシアが非ムスリムを差別するのであれば成功はおぼつかない。非ムスリムへの機会均等を保証すべき」と発言。ミャンマーを例に挙げて、マレーシア政府に少数派である非ムスリムの権利を守るよう要望した。政府系の英字紙やマレー語紙は大きく取り上げなかったが、「星洲日報」や「中国報」などの華字紙はトップで報じた。
アハマド・ザヒド内務相は、マレーシアでは全ての民族や宗教を平等に扱っていると強調。他の宗教に対する偏見は根絶されねばならないとし、多宗教も尊重されねばならないと述べた。
イスラム権利団体「ペルカサ」のサイド・ハッサン書記長は、米国でムスリムが他の宗教と同じ機会が与えられているのかと疑問を呈し、オバマ氏を含む米国の歴代大統領の発言が二重規範だと批判。マレーシア政府が非ムスリムを政府高官に登用するなど米国以上に権利を保障していると反論した。
メディアでは歓迎ムード一色のような報道ぶりだったオバマ大統領訪馬だが、18日にはイスラム団体の支持者100人あまりがクアラルンプール(KL)の米国大使館前で、「訪馬反対」「米国は悪の枢軸」などと書かれたプラカードを持って反対デモを行う騒ぎも起きていた。