【トヨタ ノア&ヴォクシー ウェルキャブ 発売】細かな改善盛り込んだ福祉車両

自動車 ニューモデル 新型車
トヨタ ノア & ヴォクシー ウェルキャブ
トヨタ ノア & ヴォクシー ウェルキャブ 全 8 枚 拡大写真

トヨタ『ノア & ヴォクシー ウェルキャブ』は、これまでトヨタが培ってきた知見をもとに、様々な細かい気配りを踏まえ開発された。

「ウェルキャブの語源は、Welfare(福祉)、Well(健康)、Welcome(温かく迎える)とCabin(客室)を合体させた造語だ」と話すのは、トヨタ製品企画本部ZU主査の中川茂さん。

その歴史は、1965年頃から運転補助装置取付の改造を開始したことから始まる。その後、1981年にはメーカー完成車として福祉車両の発売を開始。「2007年に日本は超高齢社会となり、高齢者が日本の人口の21%を超えた。その超高齢社会への対応として、“普通のクルマ化コンセプト”をノア&ヴォクシーのスロープ車に導入している」という。

その超高齢社会に対する新型ノア&ヴォクシーの提案として中川さんは、75歳以上の後期高齢者人口に注目し、「国の政策では、医療も介護も在宅へシフトする方針で、家庭で暮らす高齢者が増えることは間違いない。よって、家庭で利用しやすい福祉車両の必要性は高まると考えている」とし、同モデルのスロープ車は、「超高齢社会への対応を十分踏まえながら開発した」と述べる。

旧型からの改善の方向性は、福祉車両としての進化と、普通のクルマ化という取り組みの大きく二通りだと中川さん。そのうちの福祉車両としての進化では、「新型では、これまでより大きな車いすに対応できるように見直した結果、シニアカーも乗せられるようになった。さらに、ストレッチャーが搭載できる仕様もある。現在ストレッチャーを搭載できるのは、『ハイエース』、『キャラバン』、『NV200』など商用車しかないので、このクルマが乗用車では初となる」と説明。

また、乗降時のスロープ角度を緩やかにするため、エアサスで車高を下げられるようにしたほか、利用者にはわかる細かな改善として、「特許を取得している、小石の噛み込み防止構造が入ったスロープ板など、多くの進化を盛り込んだ」とし、実際に使われるシーンを細かに観察したうえで、開発に取り組んでいると語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  3. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  4. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  5. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る