「第28回アジア太平洋円卓会議」が2日にクアラルンプール(KL)で開幕、3日午後に開催された「日中関係の再構築」と題する討議が行なわれ、尖閣諸島問題などの両国の対立を象徴するように日中の代表による激論が繰り広げられた。南洋商報が報じている。
同会議はマレーシア戦略国際問題研究所(ISIS)が主催している。
中国・精華大学国際関係研究院の閻学通 教授は、日本の三ツ矢憲生 外務副大臣の「日本が対話の門戸をいつも開いている」との基調演説に触れ、日本政府の姿勢からはそのような対話を望む誠意がみうけられないと批判。もし予め条件付きの対話をし、日中が靖国神社参拝や尖閣問題について話し合わないのであれば意味がないとした。また上海国際問題研究院の陳東暁氏は、「安倍晋三 首相や一部の政府高官の言行から判断して、中国政府は安倍内閣に誠意がないと認識している」とし、日中関係の先行きが暗い原因を安倍首相の責任だとした。
日本代表の村井友秀 防衛大学校教授は、真剣に中国と対話する意図が日本政府にないとの指摘は誤りだとし、日中緊張の背景に中国政府が国民の注意を国内問題から反らすために日本を「生贄のヒツジ」にしていることがあると指摘した。