『ニード・フォー・スピード』スコット・ワウ監督は時速8km

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『ニード・フォー・スピード』スコット・ワウ監督
『ニード・フォー・スピード』スコット・ワウ監督 全 4 枚 拡大写真

 ゲームを原作に、法もルールも存在しない“禁断のストリート・レース”を描くカーアクション映画『ニード・フォー・スピード』。強力なエンジンを搭載し、チューンアップされた超高額なスーパーカーが主役ともいえる。

 登場する車は、主人公が乗るフォード・マスタングのほか、ケーニッグゼグ・アゲーラ(スウェーデン)、ランボルギーニ・エレメント(イタリア)、ブガッティ・ヴェイロン(イタリア)、GTAスパーノ(スペイン)、マクラレーンP1(イギリス)、サリーンS7(アメリカ)といった世界の名だたるスーパーカー。

 車種の選定にはものすごく苦労し、用意するのにも時間がかかった、と振り返るのは監督のスコット・ワウだ。「スーパーカーは本物を使うわけにはいかないので精巧なレプリカを作りましたし、あとやっぱりなんといってもヒーローカーという、主人公が乗るマスタングも一からデザインして作っているので、それもすごく時間がかかりました」。監督はなるべく沢山の種類の車を観客に楽しんでほしいと思って、背景に少しだけ出てくるような車も含めて、何百台もの車を自ら選んだという。

 このように『ニード・フォー・スピード』では実物の車が走っているが、最近の映画の風潮としてCGを多用した映画が圧倒的に多い。実はワウ監督はスタントマン一家に生まれて、自分自身もスタントマン経験があり、「CGというのとどうも相性が合わないんです」と笑う。

 「CGというのは嘘くさい部分がどうしても拭い去れないと思います。だから、全てリアルでやることににこだわっています。CGは確かに便利で作業が早いですけど、それはやっぱりフィルムメーカーとしての怠慢だと思うんですよね。だから私は体を張って。体中アザだらけですけど(笑)」

 ワウ監督ははこれが監督2作品目。本当のアクションを今後も追及していきたいといい、それが自分のスタイル、トレードマークだという。スタントマン出身の監督として、自ら経験したからこそ、という部分はあるという。「私が経験したようなことを経験して映画を撮っている監督は他にはいないと思います。長年スタントマンをやってきて、スタントマンからしか見えないアングルとか、スタントマンだからこその立ち位置とか、そういうものがあると思うんですよね。そういう独特なアングルやカメラワークを使うという意味では、他の監督とは違うと思います」。

 監督が最も苦労したというシーンは、車が崖から落ちて、それをヘリコプターで釣り上げて救出するシーンだ。もちろんCGは使用していない。「今まで絶対見たことが無いようなカメラアングルで、自分が車に乗って崖から落ちたらこんな感じっていうのを、どうしても観客に体感させたかった。撮影場所がとんでもなく僻地で、周りになんにもない所でしたので、それも苦労でしたね」。この救出シーンの撮影だけで5日間~1週間ほどの時間がかかったそうだ。

 ここで気になるのは、監督の愛車。監督自身もスーパーカーに乗っているのか。「私は現在LAに住んでいます。常に渋滞で、出せても時速5マイル=8km/hくらいなんです。だからスーパーカーなんて持っていたらものすごく残念な気持ちになるので、持っていません(笑)。この映画を撮り終わったら1台くらいご褒美にくれるかな、って期待していたのですが、そんなことは無かったですね(笑)」。

 『ニード・フォー・スピード』は7日、丸の内ピカデリー・新宿ピカデリーほか日本全国ロードショー。

《高木啓@RBB TODAY》

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