「マレーシアは世俗国家ではない」マレーシア首相府相発言が物議

エマージング・マーケット 東南アジア

イスラム刑法のハッド刑(固定刑)の導入を巡って論争が続く中、ジャミル・キル・バハロム首相府相の「マレーシアは世俗国家ではない」とのイスラム国家認識を容認する発言が物議を醸している。

ジャミル首相府相は、「歴史的にみてもマレーシアの成り立ちがスルタン制に基づくイスラム統治を基礎としたもので、スルタンは各州のイスラムの首長である」と指摘。「他宗教の信仰が平和裏を前提として認められてはいても、イスラムが連邦の宗教であることは連邦憲法第3条でも規定している」とした上で、イスラム裁判所の権限が及ぶ範囲の案件については世俗裁判所の権限が及ばないと述べた。

これに対しマハティール・モハマド元首相は、マレーシアはイスラム国家となる条件を満たしていないとした上で、イスラム国家化を強行すれば多くの社会問題が生じかねないと指摘。「イスラム裁判所の権限が及ぶ範囲の案件には世俗裁判所の権限が及ばない」との見解は誤りだとした。

民主行動党(DAP)のゴビンド・シン下院議員は、マレーシアが世俗国家かどうかは連邦裁判所に審判を仰ぐべき問題だと指摘。国王に対して連邦裁判所への審理依頼を要請した。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  6. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  7. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  8. 車内で動画やサブスクが見放題!Apple CarPlayも!データシステム『U2KIT』はディスプレイオーディオ革命だPR
  9. 新型ドゥカティ『パニガーレV2S』日本上陸に「スイングアームアームすげー」「日本じゃ全力は使えない」など驚きの声
  10. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る