ZMPは、インテル製CPUを使用した、自動運転の技術開発用コントローラボックス「IZAC(Intel ZMP Autonomous Controller アイザック)」を開発、2014年9月からテスト販売を開始すると発表した。
自動運転車では、周辺環境センサーやカメラの映像などの膨大な情報から、リアルタイムで自車位置推定やマッピング、障害物やレーン検知などを実行。さらに経路生成とトラッキングなどの判断を瞬時に行い、車両のステアリングやアクセル・ブレーキの制御を行う複雑な計算処理が必要になる。
RoboCarではこれまで車両に制御信号を送るコントローラボックスに外付けのパソコンを接続。ユーザーは各種ソフトウェアをパソコン上で準備したうえで開発に使用してきた。
今回ZMPが開発するIZACの試作機は、インテル Core i7プロセッサーをメインCPUに使用し、高速な演算をボックス内でリアルタイムに行うことが可能。また、ZMPがこれまでの自動運転開発を通して培ってきた各種ソフトウェアをコンポーネントとして順次提供し、ユーザーが開発するアルゴリズムやセンサーと組み合わせて自動運転の実験に使用することができる。
IZACは、CおよびC++言語を使用した開発だけでなく、制御系の研究開発に標準的に使用されるMATLAB/Simulinkからのコード生成にも対応。また、タスク監視、モニタリング、ログ取得など、ユーザーが開発に使いやすい仕組みを備える。ZMPでは、LIDARを使用した障害物検知や点群処理ユーティリティと自己位置推定などのコンポーネントをソフトウェアとして提供する予定だ。
ZMPでは、引き続き開発を進め、2014年9月末を目標に試作機をRoboCar導入済のユーザーを中心にテストマーケティングとして販売し、フィードバックを得たのちに、2015年夏までの正式発売を目指す。また、近い将来には、2DINサイズに収まる形状とし、カーナビのように地図上でタッチパネルを使って目的地を設定したうえで自動運転を開始するようなユーザーインターフェースを目指していく。