【テクノフロンティア14】あらゆる運動エネルギーから電気を取り出す…金沢大学の振動発電

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磁歪材料によって作られた振動発電の実験機たち
磁歪材料によって作られた振動発電の実験機たち 全 5 枚 拡大写真

東京ビッグサイトで開催された「テクノフロンティア2014」。金沢大学上野研究室のブースには、何やら実験らしい機械が並んでいた。壁に貼られている展示物を見ると、どうやら乗り物や身体の運動など、あらゆる運動エネルギーから電気を作り出す、振動発電を提案しているようだ。

【画像全5枚】

振動発電はこれまで圧電素子などを使い、駅の階段や通路などで歩行者が床を踏みつけることによって発電するシステムが導入されているが、あまり効率が高くないという印象があった。しかし、ここで提案しているのは磁歪材料を使って、誘導電流を発生させるというもの。どちらかと言えば、クルマに搭載されているオルタネータに近い発電方法だ。しかも、使う素材の特性がなかなか優れているらしい。

アメリカ海軍が発明した鉄ガリウム合金という素材は、磁化すると伸び、圧縮すると磁化が減少するという特性をもっている。それによりコイルを巻き付けて振動させると、コイルに近づけた磁石を動かすのと同じ状態となり、電流が発生するのである。その上、機械的な強度も高いので、構造物の一部に組み込んで振動を吸収させながら発電させることもできるようだ。

テーブルの上には音さ型と、寝かせたU字型の上に真ちゅうの頑丈な板を置いたもの、さらに振動モーターによって振動を加え続けて発電を照明しているものや、道路などの構造物に見立てたコの字型の頑丈な仕様もあった。どれも振動や衝撃を与えることで、LEDを点灯させて発電していることを証明していた。

計算上は受けた運動エネルギーの30%を電力へと変換できているそうだ。発電の効率を単純比較することはできないが、太陽光発電よりもはるかに効率がいいことになる。しかもこの振動発電、応用できる分野が広いことも魅力だ。

例えばリモコンのスイッチボタンを押すことで電気を作り出せれば、電池不要のリモコンができる。鉄ベースの合金だけに構造材として使いながら、荷重を受ける衝撃を電気に変換することも可能だ。高速道路の標識や表示、照明などを、振動発電で賄うことができるかも知れない。これが実用化されて普及すれば、色々な場所で電子機器が自立運転できるようになるのだ。

この研究成果を民間企業にライセンス供与して実用化を図っていく計画のようだが、ぜひとも大学だけの研究に留まらず、産学官共同で研究して早期の実用化を願いたいところだ。

《高根英幸》

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