マレーシア、最低賃金制度の導入が海外への資金流出に

エマージング・マーケット 東南アジア

マレーシア政府は、高所得国家を目指して2013年1月1日に最低賃金制度が導入したが、これが海外への資金流出に拍車をかけていると、ニュー・ストレーツ・タイムズが報じた。

ゴム及びアブラヤシ農園業者によると、外国人労働者の給与が上がったことで、海外への送金額が増加している。最低賃金制度導入前の2012年と比較して送金額が約2倍となっているという。

マラヤ農業生産者協会(MAPA)によると、外国人労働者による海外への送金額は2012年に80億リンギ程度だったが、最低賃金が導入された2013年には110億リンギとなっており、今年は150億リンギとなることが見込まれている。

農園業者では、最低賃金制度が導入されたことでコストが増加したことに加えて、肥料や外国人労働者を雇用する際の手数料、燃料、設備費なども上昇しており、生産コストが上昇している。

アブラヤシ農園は、法人税や売上税、サービス税などの税金も支払う義務があり、銀行から資金を借り入れている状態だという。パーム油の価格が2000リンギを下回った場合は、ローンを返済できない農園も出る可能性がある。

マレーシア政府は年内に最低賃金制度の見直しを行う方針であることから、MAPAは問題点が考慮された制度となるよう求めていく方針を明らかにしている。

MAPAには、マレーシア半島部の200社のプランテーション企業が所属している。農場の面積は累積70万ヘクタールで、12万5000人が就労しているが、うち80%が外国人労働者となっている。

広瀬やよい

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