キャセイパシフィック航空、純利益が3億4700香港ドル…2014年6月中間決算

航空 企業動向

キャセイパシフィック航空が発表した2014年6月中間期の連結決算は、最終利益が前年同期の14倍以上となる3億4700万香港ドルとなった。

旅客部門、貨物部門ともに増収となり、売上高は前年同期比4.6%増の508億4000万香港ドルと増収だった。

旅客部門は香港とドーハ/ニューアークを結ぶ新路線を開設したほか、既存の長距離路線での増便に伴い旅客輸送能力が同5.3%増となった。座席占有率は2.3ポイント上昇し83.6%となったものの、平均旅客単価は前年から3.5%ダウンした。

旅客需要は長距離路線の全クラスで堅調に推移した。中近距離路線でも需要はほぼ好調だったものの、競争激化に伴い平均旅客単価が圧迫されたのに加えて、一部の東南アジア路線では需要低迷も見られた。

貨物部門は、キャセイパシフィック航空とドラゴン航空を合わせた貨物輸送能力が同10.8%増で、貨物占有率も0.8ポイント上昇し63.2%となった。貨物単価は同6.9%減とダウンした。

航空貨物業界は、供給過多で運賃値上げが困難となっている。ボーイング777-300ER型機による運航頻度が増えたことに伴って、旅客機の貨物搭載スペースによる輸送量が増加している。香港国際空港の新貨物ターミナルも順調に操業を続けており、キャセイパシフィック航空グループ以外のエアラインへのサービスも提供している。

一方、キャセイパシフィック航空グループでは新機材の導入を継続して進めており、2014年上半期にはボーイング777-300ER型機を2機、エアバスA330-300型機を2機、エアバスA321-200型機(香港ドラゴン航空)を1機の計5機を受領し、ボーイング747-400型旅客機2機を退役させた。

2013年にボーイングと交わした包括的契約の一環として、同航空は計6機のボーイング747-400F型貨物専用機をボーイングへ売却することで合意しており、このうちの4機はすでに駐機措置がとられており、2016年までに全6機を引き渡す。

また、11機のエアバスA340-300型機の退役前倒しを決めた。このうちの4機は2015年末までに、残る7機は2017年末までに退役させる。

キャセイパシフィック航空グループは2014年6月30日の時点で、2024年までに受領する計90機の運航機材の発注を済ませており、2014年下半期にはキャセイパシフィック航空と香港ドラゴン航空で計11機の新機材を受領する。このうちの2機はすでに7月に受領、もう2機を8月に受領する予定。これと併行して計4機のボーイング747-400型旅客機の退役を予定しており、このうちの2機は8月に退役させる。

キャセイパシフィック航空では、今年3月に香港とドーハ、ニューヨーク(ニューアーク空港)をそれぞれ結ぶ路線で新たな旅客便の運航を開始した。12月には香港~マンチェスター線、2015年3月には香港~チューリッヒ線の開設を予定している。2014年上半期には香港とシカゴ、ロサンゼルス、大阪を結ぶ各路線で増便した。

同航空ではアブダビ、カラチ、ジェッダへの運航を停止する一方で、他の中東方面への路線では運航スケジュールの改善を図っている。香港ドラゴン航空ではデンパサール(バリ島)、ペナンへの旅客便の運航を開始するとともに、数多くの既存路線で増便した。貨物路線については香港からメキシコシティへの貨物便をグアダラハラまで延長した上で週2便から週3便へ増便した。3月には米・オハイオ州コロンバスへの定期貨物便の運航を開始しており、10月にはカナダのカルガリーへの就航も予定している。

《レスポンス編集部》

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