【CEDEC14】ゼンリン、地図データをゲームや災害シミュレーションに活用するためのコラボ施策を披露

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コンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「CEDEC 2014」内、ゼンリンブース。サービス説明を担当した荒井翔己氏(ゼンリン第二事業本部ICT事業部)。
コンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「CEDEC 2014」内、ゼンリンブース。サービス説明を担当した荒井翔己氏(ゼンリン第二事業本部ICT事業部)。 全 4 枚 拡大写真

2014年9月2日から4日にかけて行われた、日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「CEDEC 2014」。会場となったパシフィコ横浜会議センターにはゲーム開発と接点を持つ様々な企業が集結した。

Unity等のソフトウェアで利用可能な、ゲーム開発向けの3D都市モデルデータの提供を開始したゼンリンのブースでは「クエリちゃんゲーム」等が担当者により紹介された。クエリちゃんゲームは、ゼンリンの3D地図データがポケット・クエリーズとの共同開発によりゲーム制作に活用されたもの。

◆FBX形式で汎用性高め、キャラクターの利用で訴求力高める

ゼンリンはこれまでカーナビデータ提供を中心としてきたが、現在同社ICT事業のミッションのひとつとして、“エンターテイメント”という軸がつくられ、今まで使われてきた自動車関連業者向けのウェブポータルサイト以外にも、新しい活用を模索している、ゼンリン第二事業本部ICT事業部の荒井翔己氏は説明する。

「エンターテイメントを軸に進める過程で、これまで独自のデータフォーマットだったところをFBX形式(3Dデータを異なるアプリケーション間で受け渡し可能に設計されたデータファイルフォーマット)に変換し、様々な使われ方を可能にした。しかし我々は地図の会社なので、FBX形式のデータを用意するだけでは訴求力が少ない。そこでキャラクターなどを用いて注目度を上げ、すぐにゲームに用いられるようにすることも目的に開発を進めた」(荒井氏)。

ゲーム作成では、まず街をそのまま3Dデータにおこし、その3Dの街にがれきや、炎などのエフェクトを加えていき“いかにゲームっぽく仕上げるか”をポケットクエリーズに協力してもらったという。荒井氏は今後「町の中で鬼ごっこやカーレースするなどなど、町をそのまま使っていただきながら楽しんでもらいたい」と話し、「ゲームの中でもユーザが、知っている街をイメージしやすいように工夫していきたい」と述べた。

◆秋葉原の無償公開への反応は? シミュレーション利用への問い合わせが多数

また、「Japanese Otaku City」で注目を集めた、秋葉原の街並みデータの無償公開への反応では、シミュレーション利用に関する問い合わせが多かったと、荒井氏は話す。また今後「ゼンリンのデータが建物だけでなく、道路の高低差などもリアルな点を強みとして生かし、災害シミュレーションなどにも活用していけたら」と都市の3Dデータ活用に関する多方面での期待を語った。

ゼンリンは来る2015年1月に開催される「グローバルゲームジャム(Global Game Jam)」への協賛(ツール&ライセンス協力)も予定している。同イベントのサポートに注力し、当日は「学生からプロのゲームクリエイターまで幅広い参加者に使ってもらいたい」と述べる。同社が独自に持つデータを活かして、積極的にベンダーとの協力関係を築いていく考えだ。

《北原 梨津子》

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