ランクセス、多軸方向の連続繊維「テペックス」を開発…自動車の構造部品を開発へ

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ランクセス、多軸配向の連続繊維「テペックス」の構造例
ランクセス、多軸配向の連続繊維「テペックス」の構造例 全 1 枚 拡大写真

ランクセスは、連続繊維で強化された熱可塑性コンポジットシート「テペックス」の製造プロセス革新に成功したと発表した。

今回のプロセス革新によって、ほぼあらゆる角度での配向が可能な連続繊維層を実現した大型半仕上げコンポジット製品の連続生産が可能となる。このコンポジットシートは、ランクセスグループのボンドラミネーツが製造する。

これまでの「テペックス」の連続繊維は、繊維束の配向方向、または繊維束に対して垂直方向への配置に限られていた。プロセス革新の結果、配向の異なる連続繊維のコンポジットが可能となり、対象部品の力伝達に、的確に対応できるようになる。「テペックス」を使用した擬等方性構造も可能となる。これによってより軽量で、対象となる負荷に応じてコンポジット部品を的確にデザインすることが可能とる。

ボンドラミネーツは、従来と同様、半仕上げ製品を成形やオーバーモルド、圧縮用に予め設計された輪郭に切断して顧客に提供する。特別なネスティング用プログラムを使用することで、ほぼすべての場合、廃棄物を最小限に抑えることができる。

連続繊維の高度な配向性によって各繊維層は、ほぼ単方向の特性を発揮する。ポリアミド6と連続ガラス繊維で構成するため、各層の繊維方向における靱性は37GPa、剛性は780MPaとなる。

多軸配向の「テペックス」半仕上げ製品は、特に自動車向け高い剛性を備えた構造部品や、準構造部品を製造するための材料として需要が見込まれる。

同社は現在、フロントエンドキャリア、ペダル、座席部品、電気・電子モジュール用キャリア、エンジンルームのプロテクティブプレート、エアバッグカバー、車体下部の保護に使用される部品の開発に取り組んでいる。ねじり荷重と、曲げ荷重の複合ニーズに対応できるカスタマイズ構造の部品も検討する。

《レスポンス編集部》

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