【マツダ魂動デザインへの道】野生動物の一瞬の「動き」と「美しさ」をクルマにする

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マツダ・デミオ
マツダ・デミオ 全 8 枚 拡大写真

マツダは「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」に出展し、会場にてクレイオブジェ作成の実演会・体験会を開催した。一般の方にマツダデザイン(魂動デザイン)がどのようして生まれ作られていくかを、実際にクレイモデルを触り知ってもらおうという試みだ。

その会場においてマツダデザイン本部アドバンスデザインスタジオ部長の中牟田泰さんは、「大人が良いねと思わせるようなデザイン、クルマとしての本質を追求した真剣なデザインをしたい。いまマツダのデザインが目指しているものは、“デザインは命あるアートであり、心高ぶるマシン”だ。そして我々の手で工芸品のように創りあげるデザインを目指している」と想いを語る。

そこに向けて取り組んでいるデザインテーマが“魂動”だ。「これまでもマツダは動きを表現したデザインが多くあり、マツダデザインのDNAといっても過言ではない。そこで究極の美しい動きを追求したものを作れないかと、魂動は始まったのだ」と中牟田さん。

最初はクルマではなくオブジェが作られた。「クルマは鉄の塊で無機質なものだが、そこに生命感を与え、魂を動かすようなデザインを目指すために、まずは生命感あふれるデザインのオブジェを作成した。そこを原点に、2010年、『靭(SHINARI)』が誕生したのだ」と振り返る。

中牟田さんは、「靭(SHINARI)で表現したかったのは、美しい動きだ」という。「野生動物が獲物を狙うときに見せる一瞬の美しい動き。スピード感あふれた緊張感と安定感のある美しい動きを、クルマのデザインに取り入れられないかと考えた」。具体的には、「チーターの美しい動きを表現したい。そこでその動きがなぜ美しいのかを研究をした」と話す。

その結果、「チーターが獲物を狙うときに、様々な動きをするが、顔と軸は全くぶれていない。どんなに動こうがしっかりとした背骨、軸が通っていることに気付いた」という。「これはクルマのデザインも一緒でしっかりとした骨格を作ったうえにフォルムの表現をしていかなければならない。例えば手足であるフロントフェンダーやリアの表現も、きちんとした軸があるからこそ動かしても安定感があり、スタンスの良さが見えてくるのだ」と説明。それを靭(SHINARI)は表現しているのだ。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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